韓国の住宅担保融資「危険加重値の上方修正が必要」

韓国で、金融機関の健全性基準である国際決済銀行(BIS)自己資本比率の算定時、住宅担保融資に適用する危険加重値が平均15.2%であることが確認された。バーゼル勧告と似た数値だが、銀行の住宅担保融資の拡大を煽る誘引にならないよう、上方調整か必要だという指摘が出ている。

家計債務の増大を警戒…野党議員が指摘

進歩党の姜成熙(カン·ソンヒ)議員室が4日までに明らかにしたところによると、金融監督院が提出した資料を分析した結果、BIS自己資本比率の算定時に住宅担保融資に適用する危険加重値(バーゼルIII基準)は平均15.2%(2022年基準)と集計された。これは旧バーゼルII基準を適用した2019年の18%よりかなり絞られた数値だ。

銀行のBIS自己資本比率は「(自己資本÷危険加重資産)×100」で計算する。分子である自己資本が一定である時、分母である危険加重資産が小さいほど自己資本比率が高く現れる。この時、分母に当てはまる融資の種類(企業融資、個人信用融資、住宅担保融資)によって加重値が異なるように適用される。

危険加重値が高いほど不良債権化リスクが大きい資産に分類され、該当資産が増加するほど銀行の資本比率は下落する。

姜成熙議員は、住宅担保融資の危険加重値が他の融資と比べ低すぎる点に注目した。

金融監督院の資料によると、エクスポージャー危険加重値は、大手企業45.4%、中小企業45.5%、クレジットカード16.3%、個人26.6%、自営業者28.8%などと現れた。クレジットカードを除けば、住宅担保融資と比べると危険加重値がかなり高い。つまり、住宅担保融資よりもこれらのほうが、不良債権化の危険性が高いと判断されているわけだ。

しかし金融監督院は、住居用住宅を担保にする担保与信である住宅担保融資の危険加重値が他の与信に比べて低い水準にとどまるとは考えにくいと分析した。

現在の加重値は、住宅担保融資の実際の不渡り率(PD)と不渡り時の損失率(LGD)で算出された危険加重値9.6%よりは高い水準であり、住宅担保融資と他の融資の危険加重値を絶対値で単純比較してはならないという説明だ。

むしろ金融監督院は、危険加重値を高めれば、信用供給の減少と調達費用の上昇などの副作用を起こしかねないため、危険加重値の上方修正を慎重に行うべきだという見解を示している。

これに対して姜成熙議員は「実際の危険度より高い加重値を適用したとしても、バーゼル基準に明示された住宅担保融資の危険加重値下限15%をようやく上回る水準」だとし、「今の危険加重値は依然として銀行が住宅担保融資を拡大する誘引を提供する」と指摘した。

続けて「住宅担保融資が家計債務の増加、不動産価格の上昇に及ぼす影響を考慮すれば、危険加重値は単純に該当貸出の経験損失などを反映することに留まってはならない」と指摘した。

同議員は「危険加重値の調整を家計負債抑制と不動産価格下落のための政策手段の一つとして上程しなければならない」として、「各種の経済指標が国民生活に及ぼす影響を考慮する時、危険加重値を金融当局が随時公開しなければならない」と主張した。

アン・ソユン記者