韓国金融圏の「融資延滞率」3カ月ぶり減少

韓国金融圏では6月、融資延滞率が延滞債権整理効果で3カ月ぶりに減少に転じた。金融当局は、新型コロナ以前よりも安定した水準を見せていると言いながらも、再度の上昇可能性に備えて損失吸収能力の拡充など健全性管理を持続的に誘導する計画だ。

「健全性管理を持続誘導」金融当局

金融監督院が発表した「2023年6月末の国内銀行のウォン建て融資延滞率の現状(暫定)」によると、6月末の国内銀行の延滞率(1カ月以上の元利金の延滞基準)は0.35%で、前月末と比較して0.05%ポイント減少した。

新規延滞発生額は2兆ウォンで、前月の2兆1000億ウォン比で1000億ウォン減り、四半期末の償・売却などで延滞債権整理規模(3兆1000億ウォン)は前月より1兆8000億ウォン増えた。

新規延滞率は前月と比べて0.01%ポイント下落した0.09%と集計された。部門別に見ると、企業向け融資と家計向け融資の延滞率が全て減少した。

企業向け融資の延滞率は0.37%で前月末の0.43%から0.06%ポイント下落したが、大手企業向け融資の延滞率(0.11%)が前月末より0.01%ポイント減り、中小企業向け融資の延滞率(0.43%)は前月末比で0.08%ポイント減少した。

家計向け融資の延滞率は0.33%で、前月末の0.37%比0.04%ポイント下落した。住宅担保ローンの延滞率(0.22%)は前月末比0.01%ポイント、住宅担保ローンを除く家計向け融資(信用融資など)の延滞率(0.62%)は前月末比0.13%ポイント下がった。

金融監督院では今年上半期には国内銀行の延滞率が上昇傾向を見せたが、第2四半期の場合、延滞債権整理拡大など効果で上昇幅が縮小したと評価した。

金融監督院の関係者は「銀行圏の延滞率は新型コロナ以前の水準及び過去の長期時系列と比べて安定した水準を維持している」としながらも、「グローバル景気の鈍化や通貨緊縮の継続などで、現在の延滞率の上昇傾向が続く可能性に備えて、延滞・不良債権整理拡大など銀行の健全性管理を持続誘導する方針」と述べた。

アン・ソユン記者