韓国主要銀行、第3四半期に過去最高の実績期待

韓国の主要銀行が今年、第3四半期にも過去最高の実績を上げる見通しだ。低金利基調、新型コロナウイルス事態の長期化で営業環境は良くなかったが、急増する家計向け融資により利子利益が大幅に増えたからである。

15日までに明らかになったデータによると、今年9月、銀行の融資総額は2102兆ウォンで、8月比0.5%、前年同月比9.2%の増加率を記録した。

家計融資、法人融資ともに増加

家計向け融資は今年9月に6兆5000億ウォン増加し、8月(6兆1000億ウォン)とほぼ同じレベルだった。住宅ローンの純増額が5兆7000億ウォンと、7~8月に続き高い水準を記録した。これは、住宅売買やチョンセ(伝貰)取引と関連し、高い資金需要が続いた結果と見られる。

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法人向け融資の場合、9月中に7兆7000億ウォンが増加した。四半期末の一時返済など季節的な要因にもかかわらず、5兆ウォン前後に増加した3月末と6月末に比べ、増加幅が拡大した。大企業と中小企業の資金需要の拡大とともに、金融支援措置が続いている影響と分析される。

これに先立ち、証券業界は金融当局の家計向け融資規制が銀行の実績を左右する要因となるとの見通しを出した。銀行別の家計向け融資の取扱残高を制限する総量規制が、利子利益に影響を及ぼさざるを得ないからだ。

実際、銀行は今年6月の高信用者への信用融資を皮切りに、マイナス通帳と集団融資の限度を大幅に引き下げた。一部の銀行は、会社員の「サイッドル融資(※1)」や新規住宅担保ローンなど不動産関連の融資まで販売を中断するなど、強い手段を講じた。

【注※2】「サイッドル融資」とは中・低信用者の負担を減らすために作られた中金利の商品。

追加の家計債務規制か

しかし、金融当局の追加の家計債務規制発表のニュースに対し、消費者の間でほかの融資商品も近いうちに中止されるとの懸念が広がり、需要がむしろ盛り上がった。銀行圏の第3四半期の融資増加額は2020年上半期の増加額を上回った。

また、銀行が新規融資の縮小とともに加算金利の上昇措置を並行したため、直ちには収益性の悪化につながらなかった。

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韓国銀行(中央銀行)の預金銀行の加重平均金利の推移を見ると、2020年12月末の家計向け融資金利は2.79%だったが、今年8月には3.1%まで上昇した。

銀行の好業績ラリー予測に、金融持株の成績表への期待も高まっている。

金融情報提供会社のエフ・エヌ・ガイドは、第3四半期の各金融持株別の純利益が△新韓金融1兆1363億ウォン△KB金融1兆2038億ウォン△ハナ金融8525億ウォン△ウリ金融6725億ウォンになると推定した。特に新韓金融とKB金融は史上初めて年間純益「4兆ウォンクラブ」入りまで可能になると予想した。

金融界のある関係者は「強度の高い家計融資規制にもかかわらず、銀行の融資の成長傾向が持続している」としながら、「融資の総量調節のための加算金利の拡大が収益性を支えており、投資待機資金の低原価性の受信比重も依然として拡大傾向を見せているので、銀行の純利子利益の増加傾向は持続する見通し」と述べた。

アン・ソユン記者