ウリィ銀行、完全民営化へ…韓国政府が持ち分の売却計画

韓国政府が預金保険公社を通じて保有しているウリィ金融持株の持分15.13%のうち、最大10%を売却することを明らかにした。売却が成功すれば、ウリィ金融に公的資金が投入されてから23年ぶりに、民営化が完成することとなる。

金融委員会は9日、公正資金管理委員会がこのような売却計画を公告したと発表した。

年内に手続き完了

売却方式は希望数量競争入札となる。落札者は入札価格の順に決めるのが原則だが、寡占株主売却の特殊性を考慮し、非価格要素も一部反映される可能性がある。最小入札量は1%だ。

政府は来月8日まで投資意向書(LOI)を受け付ける。11月中に入札を終え、落札者の選定を経て年内に売却手続きを完了する計画である。

なお、予定価格は公開されなかった。株価水準、企業価値、公的資金の回収規模などを考慮し、入札締め切り直前に公正資金管理委員会が決定するものと予想される。

金融委は、売却主管社が市場需要調査を行った結果、潜在的投資需要があるという意見を受け、希望数量競争入札を実施することになったと説明した。

競争入札は、ブロックセール(株式の大量売買)と比べて長期投資家の誘致に有利であり、大量売却によっても株価が下落する憂慮が低いという点も考慮された。

また、4%以上の持分を新たに取得する投資家らは、社外取締役の推薦権を確保できるようインセンティブを設けた。既存寡占株主も今回の入札に参加し、4%以上の持分を新たに落札すれば、社外取締役候補1人を追加で推薦することができる。

韓国政府の計画通りに売却が成功すれば、ウリィ金融は事実上、完全な民営化が行われる。国際通貨基金(IMF)救済金融事態の余波で旧韓一(ハンイル)銀行、商業銀行が合併したハンビッ銀行(ウリィ銀行の前身)とハナロ総合金融などに公的資金を投入してから23年ぶりとなる。

韓国政府は2022年まで2~3回にわたり預保が保有するウリィ金融の持ち株(17.25%)をすべて売却するというロードマップを2019年6月に発表している。その後4月に株式2%をブロックセールの形で売却した。1株当たり1万355ウォンで、全体のブロックディール規模は1493億ウォンだった。

アン・ソユン記者