韓国の金融監督院、新役員人事で遅れ…現役3人が辞任拒否
韓国の金融監督院の役員人事が、国会による『国政監査』(※1)以降に見送られる見通しだ。
【注※1】「国政監査」とは国会が国政全般に関して行う調査で、国会が立法機能とともに備える、行政に対する監視機能の遂行の場となっている。
14人に辞表提出要求
金融当局や金融界の関係者によると、金融監督院の役員14人は今年、国政監査の機関証人として全員出席する。
金融部門の国政監査は、金融委員会と金融監督院に対する監査がそれぞれ来月6日と7日に開かれ、総合監査は21日に実施される。
政務委員会の機関証人の採択は、秋夕(チュソク、旧暦8月15日)以前の16日にすでに行われた。国政監査の対象機関である金融監督院に所属する役員は全員、機関証人として出席しなければならない。
採択された証人が交替するためには、政務委員会に出席しない事由書を提出しなければならず、人事異動の場合は新任者が証人や参考人として出席することになっている。
金融監督院の内外では、国政監査の前に役員の交替を断行するには時間的な余裕がないと見ている。副院長の任命および推薦権限を持つ金融委の定例会議は、9月29日に予定されている。
組織刷新、停滞か
金融監督院が、人事権を握る金融委に人事要請をしても、金融委は青瓦台(大統領府)に人事案を諮ることになり、検証に時間がかかる。国政監査の期間中、役員人事が難しいという見方が出ている理由だ。
金融監督院の鄭恩甫(チョン・ウンボ)院長は今年8月10日の就任以降、最初の役員会議で副院長4人と副院長補級10人の役員14人に辞表提出を要求。これに従い、11人の役員は辞表を提出したが、金恩京(キム・ウンギョン)金融消費者保護処長と副院長補2人の3人は辞表提出を拒否しているという。
役員人事が遅れる場合、組織刷新に向けた鄭院長の取り組みも停滞する可能性が高い。事実上の全員辞任要求は、前の院長のカラーを消すための人事改編の第一段階ということだ。
今後、職務排除処理を強行する可能性が高いとの観測も流れている。前任院長の尹錫憲(ユン・ソクホン)前金融監督院長も就任時、副院長補9人に辞表提出を要求したことがある。
「次に行く場所がない」
当時、保険副院長補を務めたソル・インベ氏は最後まで辞表提出を拒否し、職務排除処理された。現職の役員が辞表提出を拒否し、職務から排除されたのは2002年のイ・スンチョル監督・検査総括副院長補以来17年ぶりのことだった。
国政監査以後、任期満了を控えて役員が交替する可能性も提起されている。金東星(キム・ドンソン)戦略監督担当副院長補、李成在(イ・ソンジェ)中小庶民金融担当副院長補、張俊慶(チャン・ジュンギョン)公示調査担当副院長補の3人は、来年3月に任期が満了する。
金融当局のある幹部は「証人採択がすでに終わっていれば、役員の交代は簡単ではない。国政監査を誠実に履行していないかのように映る可能性があるからだ」としながら、「役員交替に際しては次に行く場所がある程度決まっている場合が多いが、現在は適当な場所がない。長期化する可能性が高い」と述べた。
パク・ヨンジュン記者