韓国で銀行預金が大幅減少…預貸率の制限基準に迫る
最近、韓国では投資市場に資金が集中し、銀行の長期預・貯金残高が急速に減っている。超低金利時代が終わり、基準金利引き上げのニュースが伝わると、各銀行は特別販売商品の発売を通じ、離脱した資金の再確保に乗り出している。
投資市場に流入
金融監督院によると、今年上半期のKB国民、新韓、ハナ、ウリィ銀行の4大都市銀行の残存満期5年以上の前受負債規模は計6兆7363億ウォンだった。2019年上半期の10兆2355億ウォンから2020年上半期に8兆2016億ウォンまで減った後、引き続き減少傾向を見せている。
前受負債とは、金融機関が不特定多数から利息支払いなどの条件で、保管や運用を委託された資金を意味する。銀行は調達した前受金を活用し、企業や家計への融資や有価証券に投資し、資金を運用する。
超低金利の長期化で期待利子収益が減少し、株式や仮想通貨など投資市場に資金が移動したことで、長期的に預貯金に資金を積み込もうとする人が大きく減少したとみられる。
銀行圏の資金が減少し続ける中、預貸率にも赤信号が灯っている。
今年上半期基準の4大銀行の平均預貸率は99.1%と、金融当局が規制する基準100%に迫っている。融資規模が預金より大きくなり、預貸率が基準値を超える場合、銀行は追加融資に制限を受けることになる。
年利10%の高金利預金も登場
金融当局が、新型コロナウイルス事態を考慮し、年末まで銀行の預貸率の基準を105%にゆるめたものの、持続的な預金離れにより、この基準すら維持できなけないという懸念も出ている。
預貸率を下げるためには貸し出しを減らしたり預金を増やしたりしなければならない。銀行としては、融資を縮小するより、より多くの預金を誘致し、収益を創出するほうが有利である。
先月、韓国銀行(中央銀行)が基準金利引き上げを発表したことを受け、銀行は預金や積金の特別販売商品を発売し、資金確保に乗り出している。
ウリィ総合金融は基準金利引き上げ直後の先月27日、高い収益率を好むMZ世代を狙って「ハイ定期積金」を発売した。基本金利2%に優遇金利を最大8%提供し、計10%の高金利の恩恵を受けることができる。
新韓銀行は今月初め、住宅請約総合貯蓄に加入していない1991年以降の出生者を対象に、「新韓マイホーム積金」を発表した。新規加入者に既存の最高年2.2%、さらにイベント優待利率年3.3%を追加し、最大年5.5%特別金利を適用する。
国民銀行は今月20日から2週間、「KBStar定期預金特別金利イベント」を実施している。この期間の加入利率は、◇1カ月以上~3カ月未満0.6%◇3カ月以上~6カ月未満1.0%◇6カ月以上~12カ月未満1.2%◇12カ月以上~24カ月未満1.4%◇24カ月以上~36カ月まで1.5%となっている。
ある銀行関係者は「低金利基調で期待利子収益が大きくないため、必要な時にいつでもお金を引き出して使える要求払い預金の形態で資金を保管し、株式や仮想通貨、不動産などに投資しようとする傾向が強かった」としながら、「来年まで基準金利が上がると予想されるだけに、銀行も顧客合わせた特別販売商品を出すものとみられる」と述べた。
アン・ソユン記者