韓国の銀行、中金利融資商品の販売に注力…背景に当局の圧力

韓国の銀行、規制で中止していた中金利融資が再び増加

韓国の銀行が中金利の融資販売に再び熱を上げている。新型コロナウイルス事態以後、健全性の管理強化のため比重を減らしてきたが、中金利融資の取扱実績が低調な金融会社は、家計融資総量の限度を制限するという金融当局の圧迫に神経を尖らせている。

取り扱いシェアが倍増

銀行連合会が23日までに明らかにしたところによると、KB国民、NH農協、新韓、ウリィ、ハナの5大銀行で今年9月までに取り扱われた一般信用融資(マイナス通帳を除く)のうち、中金利(6%以上)の平均割合は5.82%だった。前年同月(2.76%)と比べて2倍以上増加した数値だ。

銀行別に見ると、ハナ銀行の中金利融資の割合が7.5%で最も高かった。NH農協は前年の0.7%から5.4%に拡大し、増加幅(4.7%)が最も大きかった。

銀行による中金利融資の拡大を促したのは金融当局だ。

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金融監督院は今年5月、「金融死角地帯の解消」を理由に、中金利融資制度の改善案を発表した。改善案は、中金利融資の取扱実績を、家計融資総量制関連の経営実態評価に反映するとし、銀行に対し、年間中金利融資の供給計画作りや四半期別の供給実績を比較公示するよう求める内容が盛り込まれている。

中金利融資実績が低調な銀行に対し、家計融資の総量を制限する根拠を用意したのだ。

ある都市銀行の関係者は「中金利融資はほかの商品より利回りが少なく、継続的な延滞率管理が必要だ」とし、「新型コロナウイルスと超低金利基調で中金利融資を積極的に扱う必要はなかったが、当局の活性化政策に家計融資総量制まで重なり、販売を伸ばしていく雰囲気だ」と述べた。

高信用者に高い金利を適用

ただし一部では、銀行による中金利融資の割合拡大が中・低信用者に融資供給を増やしたというよりは、高信用者に高い金利を適用したことによるもだとの指摘が出ている。

実際、5大銀行の10月の一般信用融資の平均金利は3.42%で、昨年9月の2.51%より0.91%上がった。

家計融資総量制に合わせて銀行が優待金利を縮小したり廃止したりしたことで、融資金利が全般的に大きく上がった影響だ。今月25日、韓国銀行(中央銀行)・金融通貨委員会が基準金利を年0.75%から年1%へと0.25%引き上げたことで、信用融資の平均金利が4%台を超えかねないという予測も出ている。

ある金融圏の関係者は「中金利融資が拡大すれば中信用者の利子負担が軽減され、高金利ですでに融資を受けた人にも低い金利に転換できる新たな機会が与えられる」としながら、「家計負債の健全性の面でも肯定的な効果が期待できる」と述べた。

続いて「短期的に取扱額を増やすことに重点を置くよりは、多様な形態の信用評価モデルを開発して顧客選別能力を高め、金融疎外階層の金利断層問題を解決していく努力が必要だ」とし、「銀行が当局の顔色をうかがって表面的な数値をクリアすることだけに汲々とせず、社会的責務を果たす姿を見せてくれることを期待する」と付け加えた。

アン・ソユン記者