韓国の銀行圏、ドル高で外貨預金など盛況

ドル高で、韓国の銀行が懐を温めている。ドル高が進めば為替差益を得ることができるという期待から、外貨預金への需要が増えているからだ。

1年の間で8.8%増加

韓国銀行(中央銀行)によると、銀行圏の外貨預金残高は昨年1月の893億8000万ドルから、同12月には972億7000万ドルと8.8%増加した。

特に、昨年10月と11月にはそれぞれ1007億7000万ドル、1030億ドルを記録し、2カ月連続で史上最高を更新している。

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オミクロン株の拡散は国際金融市場の変動性を高め、安全資産を好む心理が強まった。その結果、為替差益に期待する投資家心理が膨らんだ影響と見られる。

昨年初頭に1ドル/1080ウォンだったドル相場は、今月6日、1年6カ月ぶりに1200ウォン台を記録した。翌日も上昇を続けて1201.5ウォンで取引を終え、2日連続で1200ウォン台を突破した。

銀行圏はしばらくドル高の基調が続くものと見ている。

アメリカのテーパリング(量的緩和の縮小)と基準金利の引き上げ、バイデン政権の経済政策による好況などが重なり、ドル高につながる見通しだ。

ハナ金融グループのチョン・ギュヨン研究員は「緊縮に対する警戒感とリスク資産に対する投資家心理などが影響を及ぼしている」としながら、「最近はウォン安ドル高の際、変動性が非対称的に大きくなる傾向が現れており、為替上昇の圧力が頻繁に現れる可能性がある」と分析した。

1ドル/1230ウォンも

今年の第1四半期中には、ドル相場が1230ウォン台に乗る可能性があるという見方もある。

ハンファ投資証券のイム・ヘユン研究員は、「さらなるオーバーシューティング(過熱)が発生した場合、パンデミック直後に不安が高まった2020年5月水準の1230ウォンまで見据えておく必要がある」と指摘した。

実際に、昨年第3四半期の4大都市銀行(KB国民、新韓、ハナ、ウリィ)の外貨流動性のカバレッジ比率(外貨LCR)は109.9%で、昨年第1四半期比5.13%増加した。外貨LCRは、銀行の流動性危機の状況が30日間続いても、外部からの支援なしに耐えられるよう、高いレベルの流動性を保有させる制度だ。

各銀行もドル高に合わせ、外貨と関連した商品やサービスを提供し、利用者の誘致に力を入れている。

KB国民銀行は昨年10月、24時間両替が可能なサービスの「KB外貨マネーボックス」を導入したのに続き、今月7日には1ドルから最大1万ドルまで自由に貯蓄できる「KBドキドキ外貨積金」を発売した。

ハナ銀行も昨年10月、為替の変動に関係なく利用者が保有しているドルで外貨決済が可能な「ミリオンドルカード」を発行した。これに先立ちウリィ銀行は昨年7月、外貨積預金商品「ウリィ・ザ・ドル外貨積預金」を発表した。

金融圏のある関係者は「為替レート上昇の中で為替差益を実現するため、投資家たちが保有していたドルを再び売る場合、外貨預金が減少することもある」とし、「ただし、株式市場の変動性が大きくなり、ドル相場が引き続き上昇するという見通しが出て、外貨預金はさらに増加するとみられる」と述べた。

イ・ジウン記者