韓国の銀行、流動性が改善…自己資本増加が影響

韓国の銀行の業務用固定資産比率が過去最低を記録した。店舗閉鎖を通じて運営費用が減り、自己資本増加の影響もあって流動性が改善した。

店舗リストラ・遊休不動産も売却

今年第3四半期の都市銀行4行(KB国民、新韓、ハナ、ウリィ)の平均業務用固定資産比率は10.85%で、昨年第3四半期(11.46%)に比べ0.61%減少した。これは金融監督院が関連統計を取り始めた1999年以来、最低の数値だ。

業務用固定資産は建物や土地など、短期間に現金化できない資産だ。業務用固定資産比率は、業務用固定資産を自己資本で割った値で、比率が低いほど運用できる資本が多く、流動性が拡大していることを意味する。

同期間、銀行別に見ると、KB国民銀行が1.72%(11.90%→10.18%)で最も大幅に下落した。続いて、ウリィ銀行が0.38%(11.44%→11.06%)、新韓銀行が0.33%(13.72%→13.39%)、ハナ銀行が0.02%(8.81%→8.79%)の順だった。

銀行が、代表的な業務用固定資産である店舗を閉鎖するなど、遊休不動産を売却し、純利益増加のおかげで自己資本が強化された影響だと分析される。

関連記事:韓国金融労組、無分別な銀行店舗の閉鎖に反発

金融監督院の調査によると、韓国の銀行は2019年に57店舗が削減されたが、新型コロナウイルスの感染拡大があった2020年には304店舗が閉鎖された。今年上半期に79店舗が減ったのに続き、下半期には150カ所を上回る店舗が閉鎖される予定だ。さらに、来年1月には79店舗が営業終了を控えている。

韓国の銀行は店舗を閉鎖したり、遊休不動産を売却したりして、これを通じて各種の税金と管理費など運営維持費を節減し、資産の効率化を高めている。

増資、純利益で健全性を改善

さらに、昨年から増加傾向にある自己資本が、業務用固定資産比率の減少に拍車をかけている。今年第3四半期の国内銀行の当期純利益は計4兆6000億ウォンと、前年同期より31.4%(1兆10000億ウォン)伸びた。

関連記事:韓国の銀行圏、ココ債発行減少…「資本余力に余裕」

総資産純利益率(ROA)は0.56%で前年同期比0.09%上昇し、自己資本純利益率(ROE)は1.07%上がって7.36%を記録した。融資債権など利子収益資産が増加し続け、利子利益は11兆6000億ウォンと前年(10兆4000億ウォン)より1兆3000億ウォンが増えた。

今年第3四半期、韓国の銀行は国際決済銀行(BIS)基準の総資本比率も15.90%となり、昨年末(15.00%)以降、3四半期連続して上昇している。新型コロナウイルスの影響で融資営業が増加し、危険過重資産は大きく増えた。しかし、増資や純利益の積み上がりで資本がさらに大幅に拡大され、銀行の健全性は改善された。

ある都市銀行の関係者は「複合的な要因はあると思うが、決定的に自己資本の増加が業務用固定資産比率の減少に影響を及ぼしたとみられる」としながら、「店舗整理など遊休不動産処分も一定部分、作用した」と述べた。

イ・ジウン記者