韓国ロッテカード、私募ファンドが売却の意向

ロッテカードが買収合併(M&A)市場に再登場した。ロッテグループの陰から抜け出し、厳しい体質改善に成功したロッテカードは、どれほどの関心を呼ぶだろうか。

資産4兆ウォン増…純益は8倍増

私募ファンド(PEF)運用会社のMBKパートナーズは最近、株式59.83%を保有しているロッテカードをM&A市場に売りに出した。2019年末にロッテ持株からロッテカードを買収して以来、2年ぶりのことだ。

関連記事:ロッテカード、売却されて再生…企業価値が急上昇

ロッテグループは2017年末に持株会社体制に転換したことを受け、持株会社が金融系列会社を所有できないという現行の公正取引法上、金産分離原則を守るため、ロッテカードの売却を決定した。

当時、売り物として出たロッテカードはM&A市場で大きな注目を集めなかった。2007年から数回にわたるカード手数料の引き下げで、カード業界の市場環境が悪化したためだ。さらに、ロッテグループという親企業支援効果が消えたロッテカードに対する買収するメリットが、大きくないという評価が高かったためだ。

しかし、ロッテカードはMBKパートナーズの手に渡って以来、急速に成長してきた。売却差益を目的とする大株主の下、積極的に展開したカードブランドの再編やデジタル転換戦略が有効だったと分析されている。

ロッテカードは昨年初め、業界で初めてカードではない金融商品に焦点を合わせたブランドである「ロカマネー(LOCAMONEY)」をローンチし、金融部門を強化する体質改善に乗り出した。

既存の金融商品名を△ロカマネー・短期カードローン△ロカマネー・長期カードローン△ロカマネー・マイナスカードなどに変更するとともに、商品ラインナップも一層強化した。優良会員向けの特別特典を提供したり、ポイントで金融利子を納付したりできる商品も出した。

昨年末、ロッテカードのカードローンとキャッシングサービスの利子収益はそれぞれ、5000億ウォンと1100億ウォンで買収時期の2019年末(4200億ウォン、1080億ウォン)と比べていずれも増加した。同期間、一般融資の利子収益も774億ウォンから1110億ウォンまで増えた。

金融商品の取扱高が増加し、総資産も買収前の2019年第3四半期末の12兆6700億ウォンから昨年末には16兆6200億ウォンと、4兆ウォン程度(31%)拡大した。同期間、純収益も314億ウォンから2400億ウォンと8倍ほど大きく増えた。

デジタル競争力も大きく改善された。ロッテカードは2020年にデジタル組織を拡大再編し、デジタル事業部署をデジタル事業室、ビッグデータ分析室、ピービーズ(仲介手数料業)事業室などに細分化し、デジタル転換に拍車をかけた。

これらの部署は昨年末、従来のモバイルアプリケーションを顧客決済情報、データ分析の力量などを基に顧客に合わせたコンテンツを提供する「デジロカ(DigiLOCA)」に再編した。

ロッテカードの関係者は「MBKパートナーズに買収された後、ロカシリーズなどを発売することで商品競争力が強化され、カード・非カード金融資産が増大し収益性が改善した。さらに、デジタル転換に伴い運営効率性が高まり、子会社の業績も改善し、当期純利益が増加した」と説明した。

ウリィ、ハナ、KTも関心

金融界では、ウリィ金融持株とハナ金融持株がロッテカードの買収に関心を持つ買収先として評価されている。資産を増やしたロッテカードを買収する場合、中小型会社であるウリィカードやハナカードも一気に総資産で業界2~3位に浮上できるからだ。

BCカードを保有しているKTも考慮している雰囲気だ。BCカードが最近、カード決済プロセス代行業で限界を見せており、これを挽回できる代案が必要になっているからだ。ロッテカードを買収すれば、BCカードに足りないカードローンなどの金融業でプラスになるものと見られる。

あるカード業界の関係者は、「ロッテカードがMBKパートナーズに買収された後、商品開発とマーケティングに全力を尽くした。大株主が私募ファンドという特性上、早い時期に収益性と企業価値を引き上げなければならなかったためだ」と述べた。

さらに、「資産と収益性が堅固になったロッテカードを同種業界で買収すれば、カード業界上位に定着できる」としながら、「最近、金融持株会社が収益拡大のため、非銀行部門の強化に力を入れているだけに、ロッテカードは魅力的な売り物と評価される」と述べた。

チョン・テヒョン記者