韓国生保、劣後債など大量発行…利払いに純利益の2割
韓国の保険会社が劣後債、新種資本証券などを発行し、資本を大幅に拡充していることが分かった。利上げ期に債券発行が続き、利子負担も重くなる見通しだ。
1.4兆ウォン、前年比4倍強
韓国預託決済院が20日までに公開した資料によると、今年の韓国ウォン建劣後債および新種資本証券を発行した保険会社7社(農協生命・プボンヒョンダイ生命・フングック生命・DGB生命・ハンファ損害保険・メリッツ火災・フングック火災)の資本拡充規模は1兆3650億ウォで、前年同期の総発行額(2550億ウォン)比435%も急増した。
先月にはコリアンリーも2000~3000億ウォン規模の新種資本証券の発行を決定し、金額はさらに拡大する予定だ。
会社別では農協生命が計8300億ウォンの劣後債を発行し、最大金額の資本拡充を実行した。次はハンファ損保が劣後債2500億ウォン、DGB生命が新種資本証券950億ウォンを発行し、その後に続いた。
利子負担、利益率より高い
利上げ期に資本拡充が急速に進み、保険会社の利子負担が増加するという観測も出ている。今年発行された証券の表面利率で計算すると、保険会社が四半期ごとに支払わなければならない利子は632億ウォンだ。
今年証券を発行した保険会社7社の昨年第4四半期の当期純利益が約3188億ウォンであることを勘案すれば、当該保険会社は純利益の20%を今年発行した証券の利子だけに支出しなければならないことになる。
それから、今年発行された債券の表面利率も4.35~6%の水準で、保険会社の運用資産利益率より高いものとみられる。昨年末、生命保険会社23社の運用資産利益率の平均は3.2%、損害保険会社33社の平均は2.8%水準だ。
保険会社が資本を拡充する理由は、借り換え目的と現在の健全性基準である支給余力比率(RBC)防衛、来年から導入される新国際会計基準IFRS17と新支給与力制度(K-ICS・キックス)への備えなどと分析される。RBC比率は保険会社の保険金支給能力を評価する健全性指標で、金融当局のRBC比率勧告値は150%水準だ。
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しかし、金利引き上げとともに保険会社の売り渡し可能証券評価利益と現金配当予定額が減少し、RBC比率が縮小し、資本を拡充する必要が生じた。金融監督院が最近発表した資料によると、昨年末、保険会社のRBC比率の平均は246.2%で、前四半期(254.5%)比8.3%下落したことが分かった。
新規制が資本拡充を煽る
来年から導入されるIFRS17とキックスも保険会社の資本拡充をあおる要因として作用している。IFRS17では保険負債を契約時点の原価ではなく時価で評価するので、保険会社のRBC比率が下落する可能性が高い。
ある保険会社の関係者は、「保険会社が資本拡充戦略で新種資本証券と劣後債の発行を続けている」としながら「ハイブリッド証券の比重が高くなるのは負担になりかねない」と述べた。
パク・ジンヒョク記者