韓国の銀行圏、ココ債発行減少…「資本余力に余裕」

今年下半期に入り、韓国銀行圏のココ債(CoCobond、ContingentConvertiblebond・償却型の条件付き資本証券)発行が大幅に減少した。

たゆまぬ資本拡充により、国際決済銀行(BIS)規制の自己資本比率(BIS規制比率)に余裕ができたことを受け、固定的に発生する資金調達の利息費用の負担を下げようとしている。

金融投資協会の債券情報センターが16日に公開した資料によると、KB国民、NH農協、新韓、ウリィ、ハナの5大銀行が今年下半期(7~11月)に発行したココ債は5600億ウォンにとどまった。

これは、上半期(2兆4150億ウォン)より76.81%減少しており、昨年同期(1兆8400億ウォン)に比べれば69.56%減少した。

ココ債は偶発転換社債とも呼ばれ、銀行など金融機関が自己資本増強のために発行する転換社債の一種。発行体の自己資本比率が基準値を下回るなど、偶発的な事象であらかじめ定められた条件に抵触した場合、元本の一部または全部が償却されたり、強制的に普通株に転換される。リスクが高い代わりに、通常の社債よりも高利回りとなっている。一種の劣後債券で、満期のない永久債の形で発行され、一般債権と資本金の中間的な性格を持つ。

他の債権と違って会計上の資本として認められるため、BIS規制比率を高める資本拡充手段として活用されてきた。

韓国の銀行は新型コロナウイルス拡散の長期化で融資残高が急増している中、危険加重資産の増加率が資本増加率を上回り始めた。また、融資の満期延長、利子猶予など金融支援策の終了を控え、これに備えるため1年以内の超短期債権とカバードボンド(二重返済請求権付の債権)、ココ債の発行を増やすなど先制的な資本拡充戦略を取った。

その結果、銀行のBIS規制比率は目に見えるほどに改善された。今年第2四半期の国内銀行のBIS規制比率は平均15.65%で、第1四半期末(15.26%)と比べて0.29%、昨年末(15.00%)より0.65%上がったものと集計された。

リスクに対する余力をしっかりと確保した銀行は、資金調達の利子費用の安定化に乗り出した模様だ。

ココ債は債券形態ではあるが、株式に転換されたり、元利金を削減されたりする恐れがあるため、銀行債など一般債券より金利が高い。

今年発行された銀行圏ココ債の発行金利は2.5~3.2%台で、今年1~10月の銀行債5年物金利の平均1.86%より約0.7~1.3%も高い。

また、一部では持続的なココ債の発行が資本健全性指標を高める一方、借金を資本に衣替えさせることで、危機の時に金融会社の信頼度を落とし、市場の混乱を煽りかねないという指摘も出ている。

ある銀行関係者は、「新型コロナウイルス以降、BIS規制比率の下落に備える資本拡充が必須で、主要手段としてココ債を発行してきた。現在は不良債権の増加に備える余力が十分満たした状況だ」としながら、「利子費用がやや負担になるココ債発行に速度を調節している雰囲気だ」と述べた。

アン・ソユン記者