韓国カード業界がICカードの独自規格

韓国のICカードの独自規格であるKLSC(Korea Local Smart Card)の誕生が迫っている。KLSCが誕生すれば、韓国のカード会社はもはや海外規格を使用するための莫大な費用を支出しなくても済む。

海外規格の使用コスト引き下げ

カード業界が4月27日までに公開した資料によると、カード会社と与信金融協会はKLSC商用化に向けた大詰めの作業に取り組んでいる。

カード業界はグローバルカード会社「EMV(ユーロペイ・マスターカード・ビザカード)」の規格依存度を下げるため、2018年から国内型の独自規格の開発に着手した。規格貸与料を節減し、海外カードの手数料率を調整する過程で交渉力を高めるためだ。

これまでカード会社はカード発行のため、海外の大手カード会社に一定の手数料を支払い、規格を使用してきた。現在、海外ICチップの価格は1個当たり800ウォン台で、後払い交通カード機能を搭載すると1600ウォン台まで上がる。

マスターカードが今年下半期から、ICチップに後払い交通カード機能を義務付けるよう規約を変更したことで、業界ではさらに関連費用が増えると予想している。

KLSCが商用化されれば、海外のカード会社との手数料率交渉において今より有利な位置に立つことになる。海外ICチップ規格の必要性が減る場合、グローバルカード会社に合理的な手数料率を要求できる側面からだ。

現在、カード業界によると、海外の大手カード会社の決済手数料率は1.0%台で、2020年には手数料だけで1094億ウォン程度が支出された。

KLSC開発は与信金融協会の主管で2018年から研究が開始され、2020年に「ユビベロックス」と協力契約を締結して本格化した。ユビベロックスは、国内でスマートカード生産市場の38%を占める専門企業だ。

サムスン・ロッテ、テスト完了

与信金融協会は、ユビベロックスとの協業を通じて、昨年末、KLSC規格の開発を完了した。ベータテストのためサムスンカードとロッテカードをモデル運営会社に選定し、今年のテストまで成功裏に終えた。

現在は、他のカード会社を対象にテストを行っており、与信金融協会はCD・ATM機器でも連動できるよう銀行圏とも協力している。

また、与信金融協会は、KLSCの安全な決済システムを構築するため、今年初めにICTKホールディングス、韓国情報通信技術協会(TTA)、セテコム(CETECOM)などにKLSCの認証試験を委託した。

与信金融協会の関係者は、「KLSCは従来の端末機と互換性があり、加盟店の端末機の買い替え作業も必要ない。カード会社のテストと下半期から施行される予定の専門認証機関の審査が終わり次第、KLSCの商用化が可能になるものとみられる」と述べた。

あるカード会社の関係者は、「KLSCの開発により、海外のカード会社に支払ったロイヤリティ―を大幅に削減できると見られる」としながら、「顧客の円滑かつ安全な取引のため、国内決済テストのほか、海外でも決済が正常に作動するように一緒に気を使っている」と説明した。

チョン・テヒョン記者