韓国の政策金融商品に「無用の長物」との批判

韓国の政策金融商品「サイッドルローン」が、民間の融資より高金利となり「無用の長物と化した」との評価が出ている。

全額保証も民間より高金利

サイッドルローンはSGIソウル保証がローン元金を100%保証する、中金利の政策金融商品だ。勤労者(年所得1500万ウォン以上)、事業者(年所得1000万ウォン以上)、年金所得者(年間受領額1000万ウォン以上)に年6~10%の金利で1人当たり最大2000万ウォンまで融資する。

銀行連合会によると、国民・農協・新韓・ウリィ・ハナなど5大市中銀行で今年3四半期中に取り扱ったサイッドルローンの信用点数区間別の平均貸出金利は△701~800点が8.23%△601~700点が8.45%と集計された。

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同期間、これらの銀行が取り扱った民間中金利貸出の平均貸付金利は△701~800点で5.26%△601~700点で5.3%と、サイッドルローンより3%近く低かった。

現在のような金利引き上げ期に、中・低信用者の利子負担が加重された状況で、民間商品より高い金利のサイッドルローンは事実上、使い物にならないという指摘だ。

民間融資の10分の1

カカオバンクは個人事業者向けのバンキングサービスを開始し、最低年5.668%金利で最大1億ウォンの融資を開始するのに伴い、事業者対象のサイッドルローンの新規申請を中断した。

ある市中銀行の関係者は「サイッドルより条件が有利な自社商品を販売中」とし、「サイッドルの構造だけ見れば、延滞リスクがあるわけではないが、保証料納付などの費用が発生する点から、独自の商品を販売する方がはるかにましだ」と述べた。

実際に今年第3四半期に5大市中銀行が取り扱ったサイッドルローンは52億ウォンで、民間中金利貸付(4936億ウォン)の10分の1の水準にとどまった。

また、今年から高信用者のサイッドルローン利用に制約が生じ、引き続き需要が減少するという見通しも出ている。

国民の力のユン・チャンヒョン議員がSGIソウル保証から提出を受けたサイッドルローンの実績資料によると、昨年のサイッドルローンの66.8%が1~3等級の高信用者に集中していた。

ユン議員は、サイッドルローンが昨年7月から適用されたDSR規制を回避するために活用されているためだと分析を出した。政府はDSR規制で庶民と実需要者への融資がより困難になる恐れがあるという批判を受け入れ、サイッドルローンはDSRの算定対象外とした。

高信用者によるサイッドルローン利用に批判が起きると、金融当局は昨年2月から、信用点数の下位30%(5等級以下)に全体の70%を融資した金融機関のみ、高信用者への融資実行ができるようにした。

ある金融圏の関係者は、「公的資金が投入された公的機関であるSGIソウル保証による保証は、中・低信用者の信用力を補強するために使われるべきだが、サイッドルローンはその役割を果たせていない」とし、「運用趣旨を回復するためには、金利優遇など金融脆弱階層のための恩恵を強化しなければならない」と指摘した。

アン・ソユン記者