韓国で成長続くETF「株式市場には潜在的リスク」

韓国で上場投資信託(ETF)市場が急速に成長していることを受けて、これが株式市場に否定的な影響を及ぼす恐れがあるとの分析が出ている。

資本市場研究院のキム・ミンギ研究委員は1月31日に発表した報告書「ETFが株式市場に与える影響」の中で、「国内公募ファンド市場が低迷する中でのETFの顕著な成長は、肯定的に評価される」とする一方、「しかし、基礎指数の変動を追って市場で活発に取引されるETFの特性上、市場への潜在的な影響に対する懸念が生じる」と指摘している。

ETFはインデックスファンドを取引所に上場させ、投資家らが株式のようにリアルタイムで取引できる商品だ。韓国では2002年に初めて上場して以来、純資産規模の成長率は年平均33%を記録している。発行市場の設定と償還も活発で流動性も豊富だ。

キム研究委員はETF市場の拡大が株式市場の変動性を高め、価格効率を下げる恐れがあると指摘した。ETFは単なる情報取引だけでなく、頻繁な差益取引や短期需給、ファンダメンタル(経済基礎体力)とは無関係な取引が多いからだ。特に基礎資産でこのような取引が多くなると、投資家の効用も下がる可能性があると分析した。

同報告書によると、ETFと株式収益率が同調化する傾向が分かった。ETF内のポートフォリオ単位の取引が増えて、編入された銘柄間の価格が共に動くからだ。

キム研究委員は「ETF保有資産が増えるほど編入種目間の利回り同調性が強化され、株式の個別銘柄単位ではETF保有割合が大きいほど、市場利回りとの同調性が増加する」とし、「株式利回りの同調化は価格効率や分散投資効果の面で否定的な影響を及ぼす可能性がある」と説明した。

また、ETF保有比重の増加は個別株の収益率にも影響を及ぼす。頻繁な差益取引でETFに価格ショックが発生すると、これは基礎資産に転移して価格の不必要な変動性を引き起こすことになる。基礎資産の収益率が短期反転する可能性があるということだ。

キム研究委員は、ETFの情報が市場に公開された時、株価収益率に即座に反映できる点は肯定的に捉えている。ETFと基礎資産の価格は通常ファンダメンタルに収束する。しかし、ファンダメンタルに変化が生じると、流動性の高いETFがまず新しいファンダメンタル価格に収束し、続いて基礎資産の価格と収束することになる。

同研究委員は「韓国国内ETF市場が全世界ETF市場より速い成長速度を見せ、何よりETF以外の一般公募ファンド市場は停滞しているという点は多少懸念される部分」とし「多様な公募ファンド市場と同時に成長することが、長期的にファンド生態系構築と基礎資産市場との共存を達成できる方法だ」と述べた。

ユ・ジョンファ記者