韓国政府、銀行圏の制度改善… TF稼働を本格化

尹錫悦大統領が銀行の寡占問題を指摘したことをきっかけに発足した「銀行圏慣行及び制度タスクフォース」(TF)が先週、本格的に稼働を始めた。

「スモールライセンス」など検討

TFでは、銀行の寡占体制を解消するためのスモールライセンスとチャレンジャーバンクの導入を検討し、経営陣の報酬を株主が投票で評価するなど、報酬体系の改善策を議論する方針だ。

金融委員会と金融監督院は22日、民間専門家と金融業界の各団体、研究機関とともに、第1回「銀行圏経営・営業慣行・制度改善TF」会議を開催した。

会議では、TF運営計画と6つの検討課題について議論した。△銀行圏競争促進及び構造改善△固定金利比重拡大など金利体系改善△成果給・退職金等の報酬体系△損失吸収能力の向上△非利子利益比重の拡大△社会貢献活性化――などだ。

まず、銀行圏の寡占体制を解消する参入政策に関して、スモールライセンスとチャレンジャーバンクなどが取り上げられた。

機能別に銀行ライセンスを分割するスモールライセンスの導入は、銀行間の競争を促す最も効率的な手段として挙げられる。

情報技術力を基盤としたチャレンジャーバンクは、伝統的な銀行とは異なり、モバイルのようなデジタル環境に最適化されたシステムで消費者中心の商品を提供する。ケイバンク、カカオバンク、トスバンクに続いて、第4のインターネット銀行の登場が見込まれる。

家計債務の質的構造改善と預貸金利差の公示制度の改編など、金利体系も話題になった。また、報酬体系改善のための経営陣の報酬に関する株主投票権(Say-On-Pay)、金融会社の収益変動時の役職員成果給返還・削減(Claw-back)制度、配当・自社株買取などの株主還元政策も点検する計画だ。

このほか、ストレス緩衝資本導入、景気対応緩衝資本積立など、損失吸収能力の向上案と、金融会社の非金融業への進出許容や海外進出拡大など、非利子利益の割合を高める方案も検討する。

社会貢献活動をいっそう活性化するための実績公示なども議論される。

金融委員会のキム・ソヨン副委員長は「高金利など厳しい経済条件が持続し、国民の借入利子負担などが重くなった状況でも、銀行圏は莫大な利子収益で過去最高の成果を収め、高額の成果給を支給している。これに対し、国民から厳しい叱責を受けているのが実状」と指摘した。

キム副委員長は「銀行は国民の金融便益向上と実物経済の資金供給の役割を忠実に履行しながら、国際競争力を高める努力も遅らせてはいけない」とし、「TF運営過程で全金融圏の積極的な参加を要請する」と述べた。

金融委員会と金融監督院はTFの運営を通じ、6月末までに銀行圏の慣行・制度改善策を用意する計画だ。

アン・ソユン記者