ウリィ銀行、海外法人トップの人選に懸念の声

新型コロナウイルスのエンデミック(風土病化)を受け、各国の市場状況が改善する中、ウリィ銀行の海外法人の実績も大幅に上昇した。

「OBの腰掛」革新の趨勢に合わず

好調を保つためにいっそうの努力が求められるところだが、「落ち着き場所」を求める役員OBらが海外法人トップの座を競り合う慣行がなお続いている。

金融監督院の電子公示システムによると、ウリィ銀行の海外11法人が稼いだ昨年の当期純利益は、前年比65.12%増の2882億9600万ウォンに達した。

業績上昇は中核地域である中国とベトナム、アメリカの法人が主導した。中国ウリィ銀行の昨年の当期純利益は358億6000万ウォンで前年比178.17%も増加し、ベトナムとアメリカでも前年よりそれぞれ131.07%、75.48%増えた632億1600万ウォン、362億3900万ウォンを稼いだ。

ところが、ウリィ銀行は最近断行した人事で好業績を記録した3大海外法人のトップをすべて交代させた。

ウリィ金融持株のリスク管理部門長を務めたチョン・ソクヨン前副頭取が米ウリィ銀行法人長を、戦略部門のパク・ジョンイル前副頭取とウ・ビョングォン元コンプライアンス監視役がそれぞれベトナム法人と中国法人のトップを新たに引き受けることになった。

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ウリィ銀行では以前から、役員OBを海外法人トップに送ってきた。系列会社が少なく、退職役員らのポストが足りないからだ。

特に海外法人トップのポストは、役員OBが「第2幕」を始められる要職とされていることもある。海外法人トップの出身者らが頭取候補としてよく挙げられる点を考慮すれば、その重みを推察できる。

ただ、このような慣行に対し、内部からは懸念の声が出ている。

副頭取級の役員らが、進取的な姿勢が求められる海外法人トップの座で30年を超える業歴の真価を発揮するよりは、単なる「腰掛」とみなして、無難に任期を終えることを優先して消極的に行動しているという指摘だ。

また、急速に変化する金融市場環境に合わせ、海外事業においても革新をもたらしうる若い人材がトップに適しているとの意見もある。

実際に他行の場合は、実務家が海外法人トップを務めている。KB国民銀行は海外法人トップに支店長級が、新韓銀行は本部長級が就く。ハナ銀行の場合、現インドネシア法人トップは副頭取級だが、2017年からインドネシアのハナ銀行で勤務し、実力を立証したことで出世コースに乗った。

ある銀行圏の高位級関係者は「海外事業の成功キーワードであるローカライゼーション戦略を徹底するためには、現地の専門家を海外法人トップに任命し、営業網の構築と営業方式の革新を画期的に推進しなければならない」と指摘した。

続けて「ウリィ銀行もこの趨勢に加わり、昨年にはカンボジア、インド法人トップとフィリピン法人のナンバー2に部長級を就ける破格の人事を行った。ただ、新任会長の就任を控えて人事の入れ替えをする中で、3大法人トップのポストを再び役員OBの落ち着き先として活用したと見られる」と付け加えた。

アン・ソユン記者