韓国生保「貯蓄性」販売偏重に変化なく

新たな国際会計基準(IFRS17)の導入に備え、保障性保険を強化するとしていた韓国の生命保険会社が、昨年も貯蓄性保険の販売に熱心だったことが明らかになった。

新会計基準でも、予想に反し

金融監督院が発表した「2022年保険会社経営実績」によると、生保の昨年の保険料収入は132兆6836億ウォンで、前年(120兆5457億ウォン)比10.1%増加した。

貯蓄性保険の大幅な増加が寄与した。昨年の貯蓄性保険の保険料収入は前年比39.2%増え、45兆2626億ウォンを記録した。一方、保障性保険は47兆1379億ウォンで、前年比2.7%の小幅な増加にとどまった。

新制度の下で貯蓄性保険が負債として認識されるにつれ、生保は保障性保険の販売に集中すると予測された。

合わせて、IFRS17の下では、利益と成長可能性の指標となる契約上のサービスマージン(CSM)の確保において、保障性保険が有利だという理由もあった。

しかし事実上、生保は昨年も、従来と同様に貯蓄性保険を中心に販売する戦略を維持したと見られる。

昨年来の政策金利引き上げによる株式市場の不況で、変額保険の保険料収入は前年(18兆2717億ウォン)比30.3%も減って12兆7348億となった。

生保の昨年の当期純利益は、前年(3億9403億ウォン)比で6%減った3兆7055億ウォンを記録した。

金利上昇による保証準備金の減少で保険営業利益が改善された反面、金融資産評価・処分利益の減少などで、投資営業利益が1億3716億ウォン減少した影響だ。

昨年、生保のROA(総資産利益率)は0.38%で、前年比0.02%ポイント減少し、ROE(自己資本純利益率)は5.39%で1.11%ポイント増加した。

損保の実績は全般的に好調だ。損保の当期純利益は前年(4兆3257億ウォン)比26.6%増加した5兆4746億ウォンを記録した。

長期保険の新契約増加と損害率の低下などで、保険営業利益が改善され、金利上昇による利子収益増加が寄与したとの分析だ。

昨年の保険料収入は120兆1108億ウォンで、前年(107兆6895億ウォン)比11.5%増加し、ROAとROEは1.48%、12.74%でそれぞれ0.26%、3.52%ポイントずつ増加した。

金融監督院の関係者は「金融市場の不確実性や不動産景気の悪化など内外経済条件の変化によるリスク要因があり、金利変動などの主要リスク要因やIFRS17などの新制度施行に備えて、常時監視を強化する」とし、「財務健全性脆弱恐れの保険会社を中心に資本拡充などの損失吸収能力の向上を誘導する先制的な対応をしていく予定だ」と述べた。

アン・スギョ記者