韓国で10億ウォン超える高額預金が急増、過去最大
韓国銀行(中央銀行)の基準金利引き上げにより、銀行で高額の預金が増え、残高10億ウォンを超える預金口座の規模が800兆ウォンに迫ったと集計された。
韓国銀行によると、昨年末時点で銀行の貯蓄性預金(定期預金、定期積金、企業自由預金、貯蓄預金)のうち、残高10億ウォンを超える口座の総預金は796兆3480億ウォンだった。
これは1年前と比べて3.5%(26兆6260億ウォン)増加しており、過去最大値となった。
10億ウォンを超える貯蓄性預金口座の数は9万5000件で、2020年末の7万9000件、2021年末の8万9000件から着実に増加した。
高額預金の規模が増えたのは、韓国銀行が昨年7月と10月に2回の「ビッグステップ」(基準金利0.50%ポイント引き上げ)を断行するなど、利上げが続いた影響だ。預金金利が引き上げられると、個人資産はもちろん、企業も銀行預金に余剰資金を集めた。
ただ、10億ウォンを超える高額預金の前年末比の増加率は、2017年末に7.2%、2018年末に13.3%、2019年末に9.2%、2020年末に9.4%、2021年末は13.8%となっており、昨年末は3.5%に減速した。
これは、昨年10月にレゴランド事態が触発した流動性萎縮などで、ローン金利が高騰し、利子負担が増え、企業が保有預金の一部を融資償還に回したためと思われる。
銀行の企業ローン金利(新規取扱額基準)は、昨年の第1四半期の3.35%から第2四半期の3.63%、第3四半期の4.41%に続き、第4四半期には5.50%まで跳ね上がった。
銀行別に差はあるものの、通常10億ウォンを超える高額預金は80~90%を企業が占めていて、企業が高額預金の一部を引き出して増加率が鈍化したと推定される。
銀行圏のある関係者は「今年に入って企業資金市場の萎縮が少し緩和した上に、ローン金利も下がっていて、企業の高額預金は再び増える可能性が大きい」とし、「景気の鈍化で投資不確実性が大きい状況であるだけに、企業が銀行にお金を入れて観望する雰囲気が続くと思われる」と話した。
アン・ソユン記者