韓国の銀行、借金まみれに…コロナ金融支援が原因

韓国の都市銀行が財源調達のために外部から借り入れた資金の規模が増大している。銀行債の金利上昇を受け、負担しなければならない利息費用が増えており、今後、潜在的な不安要素として作用しかねないとの懸念が出ている。

4大都市銀行の借入負債、83兆ウォン

金融監督院が14日までに公開した情報によると、今年上半期の4大都市銀行の借入負債規模は、計83兆8108億ウォンであった。2019年上半期の65兆2977億ウォンから、2020年上半期に79兆7071億ウォンに増えた後も、上昇傾向が続いている。

借入負債とは、企業が運営資金や投資金を確保するために外部機関から借りた資金のことを言う。銀行は、融資営業に投入する資金余力が足りない場合、韓国銀行(中央銀行)からの借り入れやレポ取引(Repurchase agreement=RP)などで資金を調達する。

銀行別に見ると、KB国民銀行は2019年上半期の17兆7702億ウォンから今年上半期の27兆767億ウォンに56.26%(9兆9968億ウォン)に増加した。同期間、新韓銀行は19.4%(3兆3112億ウォン)、ハナ銀行は30.8%(4兆3791億ウォン)、ウリ銀行は5.06%(826億ウォン)増えた。

韓国の銀行では、新型コロナウイルス拡散に伴う金融支援措置として、昨年4月から始まった融資満期延長と元利金の返済猶予支援が今月末まで延長された。経営に苦しむ自営業者や小商工人に対する融資元金と利子規模が拡大したことを受け、銀行は内部の財務安定化のため借入金を確保してきた。

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金融委員会によると、7月末時点で韓国の金融機関全体の融資満期延長規模は210兆ウォン程度となっている。元金返済の猶予は12兆ウォン、利子返済の猶予は2000億ウォンに上る。

特に、国内小売金融市場で25%を上回るシェアを占めている国民銀行は、主力事業が新型コロナウイルスの金融支援の対象と重なり、借入負債の規模が急増した。

問題は、銀行債の金利上昇で、銀行内部の基準金利である調達金利が上がり始め、借入負債の費用負担が増していることだ。

金融投資協会の債券情報センターによると、信用融資指標金利である銀行債1年物(AAA、無保証)の金利は、5月末の0.935%から、今月3日には1.25%と、約3カ月で0.315%上昇した。昨年7月末の0.761%と比較すると、約1年間で0.489%増加している。

財務的な圧迫が増大

過度な借入金は、銀行の財務的自立と資金流動性を弱める要因にもなり得る。新型コロナウイルス問題の長期化によって不確実性が大きくなる状況で、増え続ける借金は財務的圧迫をさらに強めかねないとの指摘だ。

金融界のある関係者は、「調達した資金は融資で運用して新しい収益を発生させる一方、確保した利子収益などで既存の負債に耐えている」とし、「ただ、新型コロナウイルスの長期化と厳しい防疫措置が続き、銀行の(社会への)資金供給は持続するものとみられる。過度な外部輸血は銀行にとっての負担に作用する可能性があり、健全性管理が必要だ」と述べた。

イ・ジウン記者