韓国の銀行業界、トレーディング資産の規模拡大

韓国4大都市銀行のトレーディング資産が、1年間で14兆8080億ウォン増加した。ドルの為替上昇による差益確保と株式市場の活況で投資規模が大きくなったためだ。

4大都市銀行(KB国民、新韓、ハナ、ウリィ)のトレーディング目的資産は昨年1月の86兆4443億ウォンから、同年第3四半期は68兆1636億ウォンに減少したが、今年第3四半期は82兆9716億ウォンとなり再び増加傾向に転じた。

金融商品に投資

銀行別に見ると、新韓銀行が昨年第3四半期の20兆8246億ウォンから今年第3四半期の25兆9263億ウォンへ最大の増加幅を示した。続いて、ウリィ銀行(10兆9588億ウォン→15兆1891億ウォン)、ハナ銀行(18兆1103億ウォン→20兆9841億ウォン)、国民銀行(18兆2699億ウォン→20兆8721億ウォン)の順だった。

銀行のトレーディング部門は、株式や債券、デリバティブなどによる資産運用を通じて収益を上げる。トレーディング目的の資産が増えたということは、銀行が金融商品に投資する規模が大きくなったことを意味する。

新型コロナウイルスの拡散を受け、景気の不確実性が高まり、金融市場内の安全性を好む心理が浮上し、ドルに上昇圧力が加わったことが大きく作用したものと見られる。ドル相場は2018年6月中旬以降、初めて取引時間内に1100ウォン台を割り込んだ。しかし、先月には1200.4ウォンまで暴騰するなど、1200ウォン台に近づいている。

さらに、昨年下半期から市場に供給された流動性が株式市場に集中し、未曽有の活況が続き、有価証券の運用収益が改善されたものとみられる。

組織を新設・拡大

先立って、各銀行は預貸マージンへの依存度を下げ、非利子収益の強化に向け、投資関連組織を新設や拡大することで、運用収益の拡大を図っている。

ウリィ銀行は、昨年7月にトレーディング部に編入された「証券運用部」を6年ぶりに復活させ、新たな収益源の創出を図った。ウリィ銀行の今年第3四半期の累積有価証券の利益は3210億ウォンで、昨年同期(1640億ウォン)より95.7%増加した。

国民銀行は昨年、資本市場グループを既存の「本部」から「グループ」に格上げし、営業の前面に配置し、傘下に「派生商品営業本部」を新設した。

ハナ銀行も昨年、組織改編を通じて投資商品サービス本部(IPS)内に投資戦略部を設け、商品の専門性と事前・事後のモニタリング機能を向上させた。

都市銀行の関係者は「銀行は投資関連組織を新設したり拡大するなど、改編したりして高い預貸マージン依存度を下げ、非利子収益創出に焦点を合わせている」としながら「債券と株式などの影響でもトレーディング資産規模が増加したが、最近、為替リスク管理戦略が有効だった」と述べた。

イ・ジウン記者