韓国金融委、カード手数料率の引き下げ決定
韓国政府の金融委員会は23日、適格費用の引き下げに伴い、クレジットカード会社が年間売上3億ウォン以下の零細企業から受け取るカード手数料率を、現行の0.8%から0.5%へと0.3%引き下げることを決定した。来年1月31日から施行される。
年間売上が3億~5億ウォンの中小自営業者に対しても、カード手数料率を1.3%から1.1%へと引き下げた。年間売り上げが5億~10億ウォンの加盟店は1.4%から1.25%へ、年間売り上げが10億~30億ウォンの加盟店には1.6%から1.5%に調整された。
3年ごとに再算定…今年で4回目
カード手数料調整の根拠となる適格費用は、加盟店による負担が妥当とされる費用だ。2012年に与信専門金融業法が改正され、3年ごとにカード手数料率が再算定されている。2012年、2015年、2018年に続き、今年が4度目の調整だ。
適格費用は、資金調達費用とリスク管理費用、一般管理費用、承認・精算費用、マーケティング費用などから算出する。
金融委は適格費用の算定に含まれる主な手数料率の削減要因として、△金利引下げによる調達費用の減少△非対面営業拡大による一般管理費用の減少△オンライン決済増加に伴うVAN社(決済代行会社)の手数料費用の減少を挙げた。
今回の算定によって生じる手数料の負担軽減金額は6900億ウォンに達する。ただし、2019年4月に非対面オンラインの決済事業主も優遇手数料の範囲に含まれたことから、先に軽減された2200億ウォンを考慮すれば、今回の追加軽減金額は4700億ウォンとなる。
金融委の関係者は「優遇手数料の適用を受ける加盟店の範囲も2017年の年間売上が3億ウォン以下から2018年には年間売上が30億ウォン以下に拡大した」としながら「2017年以前と比較した場合、零細自営業者がすべての売上区間で均等に手数料負担軽減の恩恵を受けるだろう」と述べた。
制度改善に向けTF設置
再算定周期の調整など、手数料制度の改善に向けたタスクフォース(TF)の設置も決まった。適格費用に基づく手数料制度が信用販売の原価と損益を適切に反映しているかを再点検する。また、消費者への特典が過度に縮小されないよう防止する方針だ。
カード産業の競争力を強化するため、兼業・付随業務の範囲も拡大される。今後、カード会社が本業の信用販売で収益を得るのが難しくなりかねないという恐れを考慮したものだ。
そこで、カード会社は一つのアプリケーション(アプリ)で多様なカスタマイズ型金融サービスを提供できる、生活密着型金融プラットフォームへの事業転換が可能になる見通しだ。
カード会社が保有する支払・決済情報をマイデータ事業(本人信用情報管理業)などに幅広く活用できるよう、規制緩和も推進される。また、非金融プラットフォーム情報などを活用した代案信用評価を通じて、信用情報が比較的少ない『シンファイラー(※1)(Thin-Filer)』もカードサービスを利用できるよう支援する案を検討している。
【注※1】「シンファイラー」とは金融取引がなく、関連する資料が少ない顧客を意味する。つまり、クレジットカードの利用内訳や融資実績などがない人を示す。
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高承範(コ・スンボム)金融委員長は「適格費用原則に基づき、カード加盟店が負担するのが妥当な費用を法的に公正に算定した」としながら、「今後カード会社が商品推薦·資金管理·マーケティングに至るまで総合プラットフォーム事業者に成長できるよう制度改善も推進する」と述べた。
チョン・テヒョン記者