ロッテ損保が次期CEO育成計画… ESG評価を意識
ロッテ損害保険は現最高経営責任者(CEO)に、次期CEOの育成を任せることにした。支配構造改善によるESG(環境・社会・ガバナンス)評価等級の上方修正を狙った決定と解釈される。
内部規範に新項目を追加
保険業界の消息筋によると、ロッテ損害保険は最近、支配構造内部規範第40条の2に最高経営責任者候補者群の育成に関する内容を含む項目を追加した。現ロッテ損保CEOのイ・ウンホ代表は、次期候補者を育成しなければならない義務が生じた。
内部規範に条項が一つ追加されたものだが、候補者育成は手間のかかる作業だと評価されている。候補者のための育成プログラムや具体的な計画立案を伴い、履行が難しい。
ロッテ損保は次期経営者育成により、経営の連続性を確保する計画だ。ロッテ損保は2019年、私募ファンドのJKLパートナーズに売却されて以来、2年半の間に3度のトップ交代を経験し、経営の安定性で課題が指摘されてきた。
今回の支配構造改善で、ロッテ損保が金融当局や信用格付けを行う会社が実施するESG支配構造評価書の加点を受ける可能性も高くなった。
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これに先立ち、昨年5月には興国火災がCEO育成条項を支配構造の内部規範に追加した。その後、韓国企業支配構造院が評価するESG評価総合等級がBからB+に上方修正された。ロッテ損保の現在の等級はAだ。
今後、ロッテ損保が金融監督院の保険会社の経営実態評価(RAAS)でも等級改善が期待できるという話も出ている。金融委員会は昨年から、RAAS総合評価の非計量項目にESG経営と投資など細部評価を含めた。
ESG債券で資本拡充
経営実態評価は保険会社の経営活動に伴う△経営管理リスク△保険リスク△資本適正性などの7部門を調べる評価制度だ。それぞれの部門で1~5等級にランク付けした後、再び総合等級を決定するが、ロッテ損保は昨年リスク管理体系の不十分などの理由で総合で4等級となった。
通常、4等級以下は金融委の適時是正措置である経営改善要求対象に該当する。しかし、ロッテ損保は南大門(ナムデムン)社屋の売却と最高投資責任者(CIO)の迎え入れなどリスク改善努力が認められ、適時是正措置の猶予を受けた。
ロッテ損保は今後、ESG債券を通じた資本拡充も考慮する可能性も予想される。ESG債券はESG経営を目的に発行される債券で、一般社債より金利が低く、資金調達に有利だ。
ロッテ損保の関係者は、「今回の内部規範改正で経営安定性とESG評価の向上も期待している」と述べた。
パク・ジンヒョク記者