韓国の貯蓄銀行、フィンテックと同様に融資商品の比較可能

韓国のウェルカム貯蓄銀行が付帯業務として承認を受けた融資仲介業を、他の貯蓄銀行も営むことができるようになった。これまで貯蓄銀行は、マイデータの許可無しに該当する事業を行うのは不可能だと認識して来た。

ウェルカム先行、他行も承認不要に

融資仲介は、利用者に融資が可能な商品や金融会社を紹介するサービスで、融資比較としても知られている。すでに、カカオペイやトス、フィンダなどのフィンテック企業では、銀行や貯蓄銀行、ローン会社などの融資商品を案内している。だが、今まで貯蓄銀行が融資仲介業に進出したことはなかった。

金融監督院によると、貯蓄銀行は金融商品の販売代理・仲介業のライセンスさえ獲得すれば、付帯業務の承認手続きなしに融資仲介業を営むことができる状態だ。

付帯業務は、貯蓄銀行の新事業を承認する制度で、貯蓄銀行は、法律に記載された業務以外の事業を取扱うためには、金融監督院から承認を受けなければならない。

他の貯蓄銀行も融資仲介業ができる理由は、今年10月にウェルカム貯蓄銀行が付帯業務としてこの事業の承認を受けたためだ。昨年3月、他の貯蓄銀行が承認を受けた付帯業務については、別途の承認なく扱えるよう監督規定も改正されている。

このように規制が緩和していたにも関わらず、ウェルカム貯蓄銀行以外には、新たな付帯業務の承認を受けた事例は1件もなかった。貯蓄銀行が新たな付帯業務の承認を受けるためには、金融当局から△自己資本△資産規模△経営健全性△金融利用者の保護△経営管理能力などの要件について評価を受けなければならないなど、ハードルが高いためだ。

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ウェルカム貯蓄銀行が初の事例となったが、ほかの貯蓄銀行では、自社とは関係のないこととみなされてきた。ウェルカム貯蓄銀行が貯蓄銀行の中で唯一、マイデータ事業を許可された会社であり、融資仲介業を営むためにはマイデータが欠かせないという認識があったためでもある。

マイデータと融資仲介は別

しかし、金融監督院はマイデータ事業と融資仲介業の承認は関係がないという立場だ。

金融監督院の貯蓄銀行監督局の関係者は「マイデータと融資仲介は別ものだ」としながら、「他の貯蓄銀行も仲介業ライセンスを獲得すれば融資仲介業務を扱うことができる」と説明した。

一方、貯蓄銀行が融資商品の比較や推薦などのサービスを提供できるようになり、自社のプラットフォームを保有する大手や、持株系貯蓄銀行が融資仲介業務で先行するとの見方も出ている。

ある貯蓄銀行の関係者は「貯蓄銀行中央会の電算網を共有する小規模貯蓄銀行と異なり、スマホアプリなど自社プラットフォームを保有している貯蓄銀行は、融資仲介業進出を十分考慮できる立場にある」とし、「融資仲介を実施しているフィンテックなどと連携して事業を営む可能性もある」と述べた。

パク・ジンヒョク記者