韓国で迫る利上げ…「ピットゥ」拡大に証券業界が緊張
韓国で利上げが迫っている中、証券会社の信用取引融資(信用融資)残高が連日、史上最大値を更新している。 株式市場の短期調整の憂慮が現実化すれば、収益率の下落と利子負担の増加という二重苦に襲われかねないという警告が相次いで出ている。
信用融資・預託証券担保融資…連日最大値
金融投資協会が18日までにまとめた資料によると、 証券会社の信用融資残高は25兆6112億ウォンで、関連統計を取り始めた1998年7月以来の最大規模である。
信用融資残高はKOSPI(コスピ)市場(韓国総合株価指数)が14兆686億ウォン、コスダック(韓国の有望な中小•ベンチャー企業の資金調達を目的とする株式市場)は11兆5425億ウォンだ。 ここに預託証券担保融資19兆4304億ウォンまで合計すれば、「ピットゥ(※1)」の規模はさらに膨らむ。
【注※1】「ピッ(借金)」と「トゥジャ(投資)」を合わせた造語で、借金して株式などへの投資を行うことを言う。
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信用融資とは、証券会社が自己資金やその他の調達資金で、投資家にお金を貸したり、証券会社が証券金融会社から資金を借りて融資したりすることを言う。そして預託証券担保融資は、証券会社が投資家の株式や債券、ファンドを担保として行う融資である。
信用融資と預託証券担保融資の規模は、今月に入って毎日のように最大値を更新している。
ピットゥの投資規模が雪だるま式に膨らむと、市場の専門家らは、個人投資家らが大量の損失をこうむりかねないと警告している。
基準金利引き上げか
金融投資業界は早ければ今月、基準金利の引き上げが決定される可能性に重きを置いている。今年7月、金融通貨委員会の議事録によると、金融通貨委員6人のうち5人が基準金利引き上げの必要性に共感したからだ。 金利が引き上げられれば、証券会社から融資を受けた個人投資家の利子負担は大きくなる。
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今月19日、コスピが約4カ月ぶりに3100ポイント台(終値基準)を割り込み、国内株式市場の短期調整への懸念が高まっている。コスピ指数は今月5日から13日までの8取引日連続の下落で取引を終えた。
同日、コスダック指数は前日より29.93ポイント(2.93%)下がった991.15で取引を終えた。 6月16日以降2カ月ぶりに1000線を下回った。
株安が続き、証券会社による反対売買への恐怖も大きくなっている。反対売買とは、証券会社が強制的に株式を処分することを意味する。例えば、投資家が証券会社から借りた金で買い入れた株式の価値が一定のレベル以下に落ちた時や、帳付けで買った株式の決済代金を未納した際にも行われることがある。
金融投資業界の関係者は「利上げと株式市場の下落が重なると、個人投資家は収益率の下落と利子負担増という二重苦に悩まされることになる。ピットゥに慎重でなければならない時だ」と話した。
チャン・ハウン記者