韓国証券株が不振、解決策は株主還元拡大のみ
韓国の証券株が今月に入り連日、52週安値を更新するなど不振ぶりが目立っている。市場の予想を下回る実績とともに、米国の緊縮政策まで重なった影響と解釈される。
揃って52週安値を更新
韓国取引所によると、12日のKRX証券指数は今年最低の656.11ポイントを記録した。9日(692.00ポイント)に700ポイントを割って以来、わずか3営業日で5.2%下落した。
1カ月前の4月12日(742.24ポイント)と比べると、11.6%下落した。同じ期間、KOSPIの下落率が4.4%程度であるのと比べると、2倍以上も下落したわけだ。
これは、KRX証券指数を構成している主要証券会社の株価が一斉に下落した影響だ。
未来アセット証券は先月12日、場中に7590ウォンまで下がり、52週安値を記録した。同日、NH投資証券も場中1万ウォンまで下落して52週安値に至った。サムスン証券とキウム証券などの主要証券会社も、全て同日52週安値(それぞれ3万7000ウォン、8万2700ウォン)を更新した。
証券株が持続的な下落を見せている理由は、市場の期待を下回る第1四半期の業績の影響とともに、米国政府の攻撃的な金利引き上げに大きく影響を受けたためだ。
アメリカの金利引き上げで
米国連邦準備制度理事会(FRB)は4日、急激なインフレを抑えるために、基準金利を0.5%引き上げる「ビッグステップ」に乗り出した。同時に、年内3~4回の追加断行も示唆した。
金融投資業界筋は、伝統的に証券会社の株価はファンダメンタル(基礎体力)の改善などが反映されるより、証券指数の方向性と強く連動する特性上、株価下落は避けられない状況だったと口を揃える。
ただし、実績や金利引き上げなど下落要因が先に反映された分、大幅の追加下落はないと評価し、株価牽引のためには株主還元の拡大政策が非常に重要だと指摘している。
サムスン証券のチョン・ミンギ研究員は「証券指数に株価が強く連動する証券業界の特性上、短期的バリューエーション(Valuation、価値)回復のための条件は、当然、市場環境の改善」だとし、「しかし、バリューエーション制限要素が解決される場合、中・長期的に証券業界のアップサイド余力は十分だろう」と予想した。
続いて、「すでに実現したアーニングサプライズより、未来の実績不確実性が価値の足を引っ張る証券業種の場合、四半期配当、自社株買いと消却など、積極的な株主還元拡大の重要性がさらに大事になると判断される」と付け加えた。
ユアンタ証券のチョン・テジュン研究員も「証券会社が実績を発表し始めた3週目以降、第1四半期の実績に対する期待値が低くなり、全体的に弱気となったが、これは実績が回復すれば株価も反騰することを意味する」とし、「ただし証券業に友好的な環境ではなく自社株を積極的に買い入れない限り、KOSPIと比べて不振につながる可能性が高い」と分析した。
ユ・スジョン記者