韓国生保「信用保険」販売を推進…金利上昇で拡大見込む
韓国で、金利引き上げにより債務者の負担が増す中、信用保険を扱う生命保険会社が増えている。
韓国の保険業界によると、KB生命は今下半期の信用生命保険販売のための電算システムの開発とともに、銀行との提携を検討している。
外資系・大手系列が積極的
メットライフ生命も今月中に信用生命保険商品を発売する。信用保険に健康保険を結合した商品で、死亡保障だけでなく病気の手術費まで保障するのが特徴だ。IBK企業銀行のアプリケーションで販売される予定で、IBK以外の金融機関からの融資との組み合わせでも加入することができる。
信用保険とは、死亡や重度障害、事故により債務者が返済能力を喪失した場合、保険会社が債務残高または加入時に決められた金額を代わりに返済する商品だ。現在、韓国生保の中で唯一、BNPパリバ・カーディフ生命がSC第一銀行、新韓銀行、ハナ銀行などの銀行と提携して信用保険を販売している。
保険会社が最近、信用保険に関心を示すのは、金利の推移と関係している。今年、基準金利と市場金利が急騰し、4月には銀行圏の家計向け融資の平均金利は4%を超えた。8年ぶりの高水準だ。貸出金利の負担が大きくなるため、返済を肩代わりしてくれる保険商品に対する需要も大きくなると見込んだのだ。
特に外資系と大手金融グループ系の生保が積極的だ。外資系は信用保険が普及した海外で保険料算出などのノウハウを蓄積しているし、大手の系列保険会社もグループ内の銀行と連携して相乗効果を享受できる。
「規制緩和が必要」
韓国において信用保険を扱う保険会社が多くなかった理由として、専門家は規制の影響を挙げる。債務を代わりに返済してくれる保険の特性上、バンカシュランス(銀行で保険販売)が主な販売窓口の役割をしているが、銀行内の融資窓口と保険加入窓口が分離されていて、商品案内と販売の連携が難しい。現在、信用保険の販売のほとんどが非対面で行われている理由でもある。
銀行も販売に消極的な態度を示している。金融当局は信用保険の特殊性を認め、不法営業の一形態である拘束性保険契約には当てはまらないとの解釈を出しているが、銀行はリスク管理レベルで依然として販売に積極的でない。
ある保険会社の関係者は「信用保険の販売をめぐっては、以前からアイデアは多かったが、結局まとまらなかった理由は規制の影響が大きい」とし、「家計の債務返済負担を減らせる利点もあるだけに、融資相談から保険販売を連携して行えるよう、規制緩和が必要だ」と述べた。
ユ・ジョンファ記者