韓国ノンバンク、健全性に「黄信号」灯る
金利引き上げと不動産市場の急冷により、韓国で不動産PF(Project Financing)が不良債権の雷管として浮上する中、キャピタル社(ノンバンク)の健全性にも黄信号が灯った。この間、企業対象の不動産PFの規模を拡大してきたからだ。
不動産PFの不良債権化に懸念
信用情報機関のナイス評価情報によると、今年第1四半期末にキャピタル29社の不動産PF融資の残高は20兆9000億ウォンで、前年同時期に比べて51.8%増加したことが分かった。これは、家計向け融資の増加率の6.1%を大きく上回る水準だ。
キャピタル社が不動産PFの取り扱いを大幅に増やしたのは、これまで独壇場とみなされていた自動車分割払い金融市場で、より低い金利を武器にしたクレジットカード会社に主導権を奪われ、主な収益源が減ったからだ。
また、つなぎ融資に対する当局の融資分類基準の強化も、キャピタル社の不動産PFの取扱額の増加に影響を及ぼした。
つなぎローンは、不動産PF事業を進める前に土地購入などの準備資金を用立てる融資のことをいう。金融監督院は昨年1月、キャピタル社に対し、担保価値がつなぎ融資額の130%を超えなければ、不動産PFに分類されるように措置したことがある。
金利・原材料費の上昇で
しかし、キャピタル社の不動産PFの急増には健全性悪化の懸念がついてまわる。最近の金利引き上げ基調と景気低迷で不動産市場が冷却化し、資金回収に対するリスクが高まったためだ。これとともに、原材料の費用も大きく増え、不動産開発事業に投入される費用まで増加する傾向にある。
不動産PFは、将来の現金の流れを主要な返済財源と見なすため、ハイリスク・ハイリターンに分類され、事業がうまく完了しなければローンの元金と利子を受け取ることができない。
キャピタル業界の関係者は「金利と原材料価格の両方が上昇中だ」とし、「経済的なシグナルがとても良くない」と述べた。
続けて、「しばらくは不動産PFを多く扱ってきた会社も規模をさらに拡大せず、取り扱い基準の強化など、かなり保守的に運営することになるだろう」とし、「安定性が担保された優良建設会社を中心に、そこでも厳しい基準を適用して安全な物だけを扱おうとする」と付け加えた。
一方、金融監督院は与信専門金融社を中心に急激に増加している不動産PFに懸念を表明し、金融会社に対策の用意を注文した。同時に業圏に対する不動産PF全数検査を実施し、事業現場別に点検することを予告した。
キム・スルギ記者