中古車市場の「死守」に乗り出した韓国のノンバンク

韓国で、カード会社の攻撃的な自動車ローン事業の拡大で立地が狭くなったキャピタル(ノンバンク)が、中古車市場のシェア維持に力を入れている。

新車金融資産、前年比で減少

金融監督院が15日までに公開した資料によると、キャピタルの昨年の自動車ローン残高は27兆9400億ウォンで、前年28兆2400億ウォン比1.1%(3000億ウォン)減となった。

カード会社は加盟店手数料率の引き下げ、家計向け融資総量規制などで今まで力を注いで来た事業で収益創出が難航すると、自動車ローン市場に重きを置き始めた。特に、低い割賦金利やキャッシュバックの恩恵などの攻撃的なマーケティングで、新車ローン市場のシェアを早いペースで獲得している。

自動車ローンを強みとしてきたキャピタルは、カード会社の勢いが弱い中古車市場内で立地を固めるために力を注いでいる。

現在、中古車市場の規模は年間250~270万台と推算される。これは新車市場比1.4倍の水準だ。最近、現代、キアなど大企業の進出も進み、中古車市場の年間取引量は少なくとも50万台以上増えるものと見られる。

ただ、中古車市場は長い間「レモン市場(低級品のみ流通する市場)」と呼ばれるほど品質が低く、購入を嫌う消費者がなおも少なくない状況だ。

カード業界と差別化

キャピタルは中古車ローンでは金利より市場信頼度を確保するのがより重要だと判断し、中古車診断と認証力強化に集中し、カード業界との差別化を図る方針だ。

韓国で中古車プラットフォーム1位の「KB車車車」を運営中のKBキャピタルが、昨年3月に開始した「診断中古車サービス」が代表的だ。中古車診断の専門マネジャーが車を選別して直接診断した後、売り物として提供するサービスで、事故履歴や様々な欠陥をしっかり確認し、商品として提供している。

品質保証と事後管理のため、診断結果にエラーが出た場合、購入後3カ月、走行距離5000キロ以内で最大100万ウォンまでの補償を提供している。

また、KBキャピタルを通じて出庫されたリース・レンタル返却車のうち、A級車だけを選別して販売する「KBキャピタル認証中古車」サービスも提供している。165項目の総合検査、自宅前配送、責任払戻制など、顧客が安心して購入できる態勢を準備した。

また、現代キャピタルは今月初め、デジタル中古車ローンと中古車リースの顧客を対象に、中古車金融安心同行サービスを提供するイベントを発売した。消費者が車について正確に把握しにくい中古車市場の特性を考慮し、20万ウォン相当のサービスを無料で提供している。

現代キャピタルはこれを通じて、中古車の購入過程で車の専門評価士が同行し、信頼性の欠ける売り物の判別と事故履歴の有無、適正相場の確認などの作業を支援している。

大手メーカーが大規模認証

最近、大手企業が中古車市場に進出できる環境が構築され、現代・キアとの連携営業も期待されている。現代自動車が大規模な中古車認証事業を実施すれば、これらの売り物が現代キャピタルが構築したマーケットで、低金利で取引される可能性が高いためだ。

現代自動車グループは、走行距離10万キロ未満、購入後5年、200項目余りの品質テストを通過した車など、高品質な売り物に限り中古車を取り扱うと発表している。

あるキャピタル会社の関係者は、「中古車市場の特性上、消費者が購買をためらって不安に思う側面が大きく、彼らが信じて購買できるよう信頼感を高めることに最善を尽くしている」としながら、「専門性のある中古車診断、認証サービスは、カード会社が打ち出している低い割賦金利などのマーケティングと比べても、競争力で劣らないだろう」と述べた。

チョン・テヒョン記者