基準金利1%上昇で預貸金利差0.25%拡大…韓国銀行
韓国銀行(中央銀行)が基準金利が1%上がると、銀行の残高基準預貸(預金・貸出)金利差は、約0.25%大きくなるという分析を示した。
「固定金利融資の拡大策を」
金利引き上げ期には預貸金利差が拡大する傾向があるが、最近は銀行間の競争が減り、変動金利の融資が増えて預貸金利差がさらに広がるようになったという説明だ。
韓国銀行が18日に発表した「韓国銀行の預貸金利差変動要因」報告書によると、2010年第1四半期~2022年第1四半期の一般銀行13行の資料を分析した結果、基準金利1%の引き上げによって、残高預貸金利差は0.245%大きくなった。
一方、同じ条件下での新規取扱分を基準とした預貸金利差は、むしろ0.207%減った。
韓国銀行は、銀行融資の相当部分が変動金利となっており、預金の場合は半分以上が要求払預金・随時入出金預金(いずれも日本の普通預金に相当)など、金利が低い「低原価性」の金融商品であるため、融資金利が預金金利より早く上がり、残高預貸金利差が起きたと説明した。
ただし、新規取扱分の場合、現時点での銀行間の融資競争、融資態度、規制などから影響を大きく受けるううえに、残高基準とは異なり、預貸金利の算出計算式で要求払預金・随時入出金預金、低原価性預金が抜けるため、預貸金利差が狭まると分析された。
特に、昨年下半期から金利が上がる過程では変動金利融資の割合が急増し、残高基準の預貸金利差の拡大を促した。
韓国銀行は「低原価性預金の割合が55%前後を維持する中、変動金利貸出の取り扱いの割合が大きく増えたことが、預貸金利差のさらなる拡大をもたらしたことが分かった」と説明した。
国内銀行の変動金利の融資の割合(残高基準)は、2020年第4四半期末の63.5%から今年第2四半期末の70.3%に増加し、新規取扱額基準でも同期間の68.0%から82.6%に上昇した。
また、長期的な分析結果とは異なり、昨年の下半期以降、今年上半期まで新規取扱額基準の家計貸出の預貸金利差まで大きくなったのは、銀行間の競争が減り、総量規制などで貸出態度が厳しくなり、貸出加算金利が大幅に上昇したからだという分析が示された。
韓国銀行は「固定金利の拡大が常に望ましいわけではないが、少なくとも金利が大幅に上がる時期には拡大策を考慮する必要がある」とし、「銀行間の適正な競争が維持される環境を造成するのにも注意を払わなければならない」と意見を述べた。
アン・ソユン記者