韓国の金融業界で「為替ディーラー」人材不足

外国為替市場が拡大している中で、韓国の銀行は人材難に直面している。

銀行圏によると、来年下半期の外国為替市場の開場時間延長(午後3時30分→翌朝2時)を前に、一部の銀行が外国為替ディーラーの採用に乗り出したが、計画通り充員されていない。

銀行別の資本市場運用部では、外国為替市場の開場時間の延長に備えて、夜間3交代で運営できるように、最低4人以上の外国為替ディーラーの補充を要請したことが分かった。

各銀行の人事部は、昨年から専門職の随時採用を通じて経歴職の外国為替ディーラーを採用しているが、このうち少数の銀行だけが1〜2人を増やした状態だ。

ある市中銀行の関係者は「人事部に資本運用部の外国為替ディーラーの増員要請が続々と入ってくるが、対応が容易ではない」とし、「高年俸職群のため予算の問題もあり、インターネット銀行の新規参入で人材供給がさらに減った面もある。増員どころか、育児休業などによる空席も埋めにくいのが実情だ」と話した。

現在、韓国の4大市中銀行に所属する外国為替ディーラーは全部で51人で、5年前(44人)よりわずか7人増えただけだ。

KEB外国為替銀行と合併して外国為替取引の強者であるハナ銀行が17人で最も多く、残りは11人前後の水準だ。

銀行も外国為替の人材不足を解消するためにデジタル技術を活用した外国為替業務の自動化に取り組んできたが、思い通りにならないという説明だ。

ある市中銀行の関係者は「2017年に最悪の外国為替取引実績を記録したことがある。当時、為替レート自体は良好な環境だったが、敗因は外国為替ディーラーの通貨価値予想の失敗だった」とし、「以後、人材依存度の高い外国為替産業構造変化の必要性を感じた銀行は、アルゴリズム売買などデジタル外国為替技術能力を引き上げることに集中してきた」と述べた。

続けて「プラットフォームやアルゴリズム売買の高度化、API構築など外国為替取引領域が自動化されているが、最上位のグローバル銀行が運営する性能と競争力の比較の面でまだ完全とは言えない。相変わらずディーラーの判断力が取引決定とリスク管理における決定的要素だ」と話した。

銀行は外国為替ディーラーの人材不足を訴えるのとは別に、非利子部門の主要収益源である外国為替売買益を逃さないために事業パイを拡大し続けている。

銀行の総資産規模との対比で取引目的資産比率の推移を見てみると、ウリィ銀行は今年上半期末において5.46%で、2018年末の2.26%から3.2%ポイント上昇し、ハナ銀行は1.84%ポイント(4.24%→6.08%)、KB国民銀行と新韓銀行はそれぞれ1.58%ポイント(4.52%→6.10%)、0.01%(8.49%→8.50%)ポイント増加した。

アン・ソユン記者