韓国のウリィ銀行、派生商品投資で1000億ウォン損失
韓国のウリィ銀行が派生商品への投資で1000億ウォンに達する損失を被った。非利子利益の増大に奔走したあまり、リスク管理に穴が開いた結果だ。
ウリィ銀行は最近、トレーディングビューで962億ウォン規模の評価損失が発生したことを認知し、一歩遅れて収拾に乗り出した。
2年余り前にトレーディングした香港ハンセン指数の株価連携証券(ELS)派生取引が問題だった。
香港ハンセン指数は中国当局の規制強化と景気不振の余波で、2021年以後不振が続いている。ウリィ銀行の派生商品専門ディーラーは、香港ハンセン指数ELS評価損失を挽回するため、長期オプション取引の拡大を通じたヘッジ(hedge)戦略を実施したが、市場変動性の克服に失敗した。
ウリィ銀行は今年6月に実施したリスク管理実態点検において、事態の深刻さを認知し、962億ウォンの評価損失を確定し、これを会計処理基準に合わせて今年6月末決算に反映した。
ウリィ銀行関係者は「場外派生商品の価格評価のために1000個以上のデータを基盤に変動性を算出するが、急激な市場変化を十分に反映できず評価額と実際の市場価額の間に隔たりが生じた」と説明した。
業界では今回のウリィ銀行の投資失敗を巡って、力量が足りない派生商品市場に無理に飛び込んだ結果であるとし、冷淡な反応を見せている。
ある都市銀行関係者は「銀行の派生取引収益は大半が海外銀行や証券会社で作った商品からファンド(ELF)や信託(ELT)の形で転売して手数料を稼ぐ構造だ。ウリィ銀行は派生商品を非利子利益増大の鍵だと考え、直接運用を押し付けていたが、力量不足が結局、大規模損失のブーメランとなって返ってきた」と指摘した。
ウリィ銀行は2005年、通貨オプション、スワップ、株式派生などの金利オプション「ブック」を通じた派生商品運用に自信を示し、トレーディングビュー傘下に派生商品専担チームを設けた。市中銀行の中で派生商品を自主的に設計し取引するのはウリィ銀行が唯一だ。
ウリィ銀行はまず今年7月以降、清算目的のヘッジ取引以外の株式派生商品取引を全面中断した状態であり、金融監督院の指示に従って自主検査を実施した。
検査結果をもとに先週、事前審議委員会を通じて企業投資金融のカン・シングク部門長と資金市場グループのイ・ムンソク副頭取をはじめ、前・現職トレーディングビュー部長とチーム長、チーム員など計6人が懲戒対象名簿に載せた。
アン・ソユン記者