韓国政府、都市銀行に続きネット銀行にも融資規制
韓国政府が都市銀行に続き、インターネット銀行に対しても融資規制に乗り出した。金融当局が家計融資総量管理のため、融資を引き締めようと圧迫を続けた結果である。融資を受けるのが厳しい状況が現実化し、秋の結婚・引越しシーズンを控え、急な資金調達の必要がある実需要者の被害が大きくなると懸念される。
カカオバンク、新規融資を中止
銀行圏が8日までに入手した情報によると、カカオバンクは今年末まで、マイナス通帳に続き高信用者への信用貸付やチョンセ『(※1)』・家賃の保証金融資商品の新規取り扱いを全面中止することを決めた。
【注※1】「チョンセ」とは韓国特有の住宅賃貸の仕組みである。保証金を預かって他人の家を借りた後、契約期間が終われば保証金を返してもらう住宅賃貸借の類型を意味する。
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中断される商品は◇高信用信用融資◇サイドル融資『(※2)』◇チョンセ・家賃の保証金融資だ。信用融資商品のうち中信用融資、中信用プラス融資、ヘッサロン15と青年チョンセ保証金融資は申請可能だ。しかし、これも推移によって申請可能件数が変動する可能性が高い。
【注※2】「サイドル融資」とは中・低信用者の負担を軽減するめに作られた中金利融資の商品を意味する。
ケイバンクも今月2日から、信用融資とマイナス通帳の限度を縮小した。既存の2億5000万ウォンから1億5000万ウォンへと信用融資の限度を下げた。マイナス通帳や中金利融資の「信用融資プラス」も同じく、従来の1億5000万ウォンから1億ウォンへと縮小した。
今月5日にスタートしたトスバンクは、営業開始から3日で新規融資を中断せざるを得ない状況に直面した。
金融当局から年末まで融資総額5000億ウォンを超えないようにと注文を受けたトスバンクは、6日午後までに2000億ウォン以上の融資が実行され、全体限度の40%が早くも消費された。
これは最近、金融当局の融資管理において、新設で融資規制から自由な状態のトスバンクに、顧客が殺到したものと見られる。トスバンクは信用融資限度を最大2億7000万ウォン、マイナス通帳は1億5000万ウォンで、銀行圏の中で最高レベルの数字を示したのも人々を引き付けた。
さらなる規制強化も
問題は今後、金融圏への融資規制がさらに深刻化しかねないことである。
金融当局は、10月中に強力な家計債務対策を予告している。今月6~7日、国政監査に出席した金融当局のトップらは、厳しい規制意思を改めて示した。
金融委の高承範(コ・スンボム)委員長は国政監査で、「家計債務の増加率目標を達成するためには、チョンセ融資を引き締め、集団融資も防がなければならないのか」という与党・共に民主党の柳東秀(ユ・ドンス)議員の質問に「はい」と答えながら、「このように努力しなければ、今年の家計融資総量増加率の目標値である6.9%の達成は現実的に難しい」と答えた。
金融監督院の鄭恩甫(チョン・ウンボ)院長もまた、個人融資に関する質問に対し、「今年の個人融資総量増加率の目標値に向け、すべての関係機関や省庁が懸命に努力している」とし、「実需要者に対してはきめ細かく管理し、総量はさらに厳しく管理することが現段階では必要だというのが政策的判断だ」と述べた。
金融当局の追加規制としては、総負債元利金返済比率(DSR)強化の時期を繰り上げる案が取り上げられている。現在、DSR規制は全ての規制地域で、6億ウォンを超過する住宅の担保融資や、1億ウォン以上の信用貸付が適用対象となっている。DSR規制が強化されれば、融資総額が2億ウォンを超える融資まで適用対象が拡大される。
銀行圏のある関係者は「融資の締め付けが続くほど資金難に直面した実需要者たちの被害が大きくなる」とし、「特に銀行や第2金融圏で融資を受けることができなかった脆弱階層が闇金融に向かう可能性が高い」と述べた。
アン・ソユン記者