韓国金融圏、個人信用評価システムの高度化に集中
韓国の都市銀行が既存の個人信用評価システム(CSS)の高度化に注力している。最近、第三のインターネット銀行としてトスバンクまで発足し、中金利貸出市場で顧客を確保するための競争はさらに激しくなる見通しだ。
個人信用評価システムは、借主の職場、資産、信用などを総合評価して貸し出しをするかどうかを決める自動電算システムを意味する。
高まる延滞発生率
銀行は韓国政府の中・低信用者(4~6等級)融資活性化方針により、不良債権化・延滞の発生確率が高まっていることを受けて、融資の利用者の信用度を予測する信用評価モデルを精密に構成することに注力している。
新韓銀行は、企業信用評価システムを高度化し、来年にも適用する計画だ。同行は今年9月、企業信用評価システムの非財務客観化アップグレード関連の入札公告を出した。
企業信用評価システムの電算高度化作業とともに、非財務客観化モデル全般に対するシステムを開発する。今回の開発事業を通じ、従来の非財務客観化システムの弁別力を高め、整合性を検討する予定だ。
都市銀行からネット銀まで
ウリィ銀行は今年7月から、個人事業主への融資で新たな非対面信用評価システムを適用し、審査を行っている。
個人事業主が非対面チャンネルを活用して融資を申請すると、BCカード会社の加盟店データを代案情報として活用する信用評価システムだ。モバイルを通じた融資の定性的評価に限界があると判断し、BCカードから得た情報を信用評価システムに適用し、融資承認率をさらに高めた。
今月5日に公式に発足したトスバンクは、独自に開発した信用評価システムである「トススコアリングシステム」を導入し、融資承認率を引き上げた。これまでノンバンクから融資を受けることが難しかった人のうち約30%を健全な中・低信用者として発掘し、トスバンク利用者として受け入れる計画だ。
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カカオバンクも個人信用評価システムの高度化に取り組んでいる。今年6月には中・低信用者および金融履歴不足の利用者を狙った別途の信用評価システムを開発し、実際の新規融資審査に適用することで中·低信用者の不渡り率の管理に活用している。
今年下半期は、携帯電話の小口決済情報や個人事業主の売上データを巡る分析結果を反映し、来年はカカオ共同体が保有している非金融情報を分析し、格付モデルに適用する方針だ。
ある銀行関係者は「銀行が信用評価モデルの高度化に着手したことで、精密な信用評価を通じたリスク管理が可能になり、融資承認率も高くなった」とし、「これにより金融疎外階層に対する金融サービスも拡大するとみられる」と述べた。
イ・ジウン記者