韓国の銀行圏「ウィズコロナ」時代の海外事業を準備
「WithCorona(新型コロナウイルスとの共存)」時代に入り、これまで委縮していた韓国の銀行圏の海外営業活動にも弾みがつき始めた雰囲気だ。
韓国の銀行は、現地市場の状況に合わせた商品を発売し、新しいネットワーク構築に力を入れるなど、領土拡大競争が繰り広げられている。
尹琮源(ユン・ジョンウォン)IBK企業銀行頭取は23日、就任後初の海外出張に発った。
経済協力開発機構(OECD)出席のためにフランス・パリを訪問。OECDの武内良樹事務次長やラミア・カマル・チャオウィ中小企業局長と会い、中小企業金融の協力策について議論する。
また、新たな事務所開設を推進中のポーランドにも立ち寄る予定だ。IBK企業銀行は、英国のブレグジット推進による欧州の金融ハブとしてのロンドンの地位が揺らぐと、ポーランドへの進出を準備してきた。
尹頭取が直接現場を訪れ、これまで新型コロナウイルス事態で支障が生じていた計画を正常化し、来年の初めには、現地当局に事務所開設の申請ができるよう奨励する方針だ。
ウリィ銀行も最近、業績上昇の勢いに乗り、海外事業にさらに拍車をかけている。
ウリィ銀行は、先進国と新興国を特性に合わせて攻略する「ツーウェイ(TWO-WAY)」戦略で、米国・英国・日本・香港など先進市場に企業金融分野のサービスを提供。一方、ベトナム・カンボジア・フィリピン・ミャンマーなど新興市場に現地顧客対象のリテール営業に積極的に乗り出してきた。
その結果、ウリィ銀行の今年第3四半期、海外法人の当期純利益は、前年同期比64.4%増の1309億ウォンを記録し、注目すべき伸び率を示した。
ウリィ銀行は、現地法人の商品ラインアップを持続的に拡張している。
ベトナムのウリィ銀行は今月12日、派生商品システムの構築を完了し、派生商品の販売を開始した。さらに、年内にインドネシアやカンボジアによる現地融資規模の増大に向け、人工知能(AI)格付けモデルを新たに構築する計画だ。
KB国民銀行は8日、カンボジア市場で新車購入客の金融を支援する「ドリームカーローン」と、優良企業に勤務する会社員を対象とする無保証信用融資「KBスマートローン」を発表した。
また、海外拠点の拡大を目的に、ニューヨークに資本市場デスクの構築を決めた。
新韓銀行は香港市場への攻略に乗り出す。今月3日、香港政府が主催するアジア最大のフィンテックイベント「第6回香港フィンテックウィーク」に参加し、「デジログブランチ」についてPRした。
デジログブランチとは、デジタルとアナログが融合した未来型革新店舗だ。デジタル技術を試すことができる支店で、業務の効率性を高めるための作業方式の変化を取り入れるなど、既存銀行の役割を全般的に革新したのが特徴だ。
ある銀行圏の関係者は「新型コロナウイルス以降、グローバル市場の変動性が拡大したが、一方では新たな需要が開かれ、ポートフォリオ改善のきっかけになった側面もある」としながら、「単に、企業金融の海外進出国を増やすのにとどまらず、長期的な計画で証券、自動車金融など多様な部門で現地化を試みるなど、総合金融会社として市場を先取りするための努力を強化している」と述べた。
アン・ソユン記者