生まれ変わった中国ビジネス…韓国の銀行が収益改善

期待に満たない実績で「鶏肋(けいろく)」扱いされていた韓国の銀行の中国法人が、今年に入って著しい収益改善の勢いを見せ、評価を高めている。

中国に進出した韓国企業を主な対象とする営業戦略から脱皮し、現地の地域市場の特性を正確に反映した「現地化営業戦略」に集中したことが奏功したと評価される。

ハナ銀行、利益201%増

金融監督院が8日まで公開した資料によると、KB国民、新韓、ウリィ、ハナの4大都市銀行の中国法人が今年上半期に収めた当期純利益は、750億7700万ウォンと集計された。2019年上半期の452億6000万ウォンに比べ65%上昇した。

銀行別では、ハナ銀行が144億3600万ウォンから435億5900万ウォンへと最大幅(プラス201%)の増加を見せた。続いてウリィ銀行は同134%(61億2700万ウォン→143億5100万ウォン)、KB国民銀行が同28%(74億2200万ウォン→95億4100万ウォン)の順で収益性が改善した。

一方で新韓銀行の場合、今年上半期の中国法人の当期純利益は76億2600万ウォンと、2019年上半期の172億2750万ウォンから55%激減した。しかし、これは新型コロナウイルス関連の巨額の貸倒引当金の積立が反映された影響によるもので、それを除外すれば昨年上半期(41億2700万ウォン)と比べると、84%の上昇率を示した。

海外戦略の核心領域

韓国の銀行にとって中国市場は規模自体があまりにも大きく、韓国企業が多く進出しているため、海外事業の部分収益を引き出す核心領域として注目されてきた。

しかし、2018年の米中貿易戦争を受け、韓国の対中投資の鈍化や中国に進出した韓国企業の不振で、企業金融の収益が急減した。これを受け、各銀行は現地の営業基盤を強化するための突破口を見つけ始めている。

まず、ハナ銀行は中国の大手企業との提携を通じた現地化戦略を打開策としている。

2019年に中国の電子商取引企業アリババのアントフィナンシャルと提携し、モバイルローン「マイジーエーベイ」を発売した。4カ月で顧客10万人、1億元のローンを組む成果を上げた。また昨年8月には中国最大かつ世界2位のオンライン旅行プラットフォーム「シートリップ」と提携し、モバイル貸出を披露し、非対面個人向け小口貸出商品の構造を拡大した。

ウリィ銀行も同様に、非対面チャンネルを通じた商品販売やサービス活性化で、現地の顧客基盤を強化している。

2019年に中国最大の民営金融グループ・平安保険グループのフィンテック子会社とモバイルオートローンを発売し、2カ月で1億元の実績を記録した。昨年3月には国内信用状および貿易融資業務を推進、マーケティングに力を注いでいる。

国民銀行の場合、モーゲージローンの活性化を通じて安定した長期成長基盤を確保し、フィンテック企業と提携を通じ非対面の新事業を推進している。

現地ブルーオーシャン攻略

新韓銀行は中国の銀行が販売する金融投資商品群――国債や社債、不動産株式など多様な資産に投資する「理財商品(MMF)」を発売。中国の貨幣業務、グローバル資金管理サービス(CMS)及びスイフトスコア(SwiftScore)サービスの提供など、活発な新商品開発を通じて現地の個人顧客の好みに合わせている。

同時に中国現地企業との取引活性化のため、中小企業向け営業システムの再構築及び力量強化、商品構造の拡大などにも乗り出している。

銀行圏のある関係者は「中国に進出した韓国企業をめぐり、韓国の銀行間での過当競争だけでなく、外資系企業を顧客に引き入れようとする中国系銀行と外資系銀行の間の競争まで激化している」としながら、「経営成果を改善するためには中国内の新しい金融のブルーオーシャンを探すことが急がれる状況」と述べた。

さらに「韓国の銀行はそれぞれが持つ比較優位を考慮した現地化戦略樹立に集中している」とし、「最近、中国の小売金融分野で急成長傾向を見せている住宅ローンとオートローンにおいて、金融IT強国という利点を活用した高付加価値サービス提供など収益源の多角化に努力している」と話した。

アン・ソユン記者