韓国の地方金融、ウクライナ事態で株価にダメージ

利上期に恩恵を受ける銘柄の典型とも言える韓国の地方金融株が、なかなか真価を発揮できずにいる。ウクライナ事態を受け、さまざまな原材料価格が高騰し、利上げのテンポが遅れるだろうという見方が出ているからだ。

KRX銀行指数、3.77%下落

ロシアとウクライナの間で緊張が高まった2月初め、8070ウォンだったBNK金融持株の株価は今月10日、7490ウォンと7.18%下落した。

同期間、DGB金融持株は9270ウォンから9000ウォンへ2.91%、JB金融持株は8200ウォンから8080ウォンへ1.46%下落した。

KRX銀行指数も749.24から720.94と3.77%下がった。KRX銀行指数は、韓国の銀行業種9銘柄が含まれた銀行代表指数だ。

ウクライナ事態を受け、国際原油価格をはじめとする原材料価格が跳ね上がり、物価が高騰し、利上げのテンポが減速するだろうという予測や、ロシアに対する国際的な金融制裁が、金融株の株価に悪材料として働いたものと見られる。

韓国政府は、アメリカの制裁対象であるロシアの主要銀行7行やその子会社との金融取引を中止することを決めた。今月2日から新規に発行されるすべてのロシア国債について、発行・流通市場での韓国の公共機関および金融機関の取引中断を勧告した。

スイフト(SWIFT=国際金融通信網)の排除にも賛同した。これは、ロシア企業と金融機関が国際金融通信網を使用できなくなり、国際決済が実質的に遮断されることを意味する。結果、ロシアに対する融資の回収が難しくなりかねない。

それから最近、金融当局が新型コロナウイルス金融支援の4度目の延長を決定し、追加の貸倒引当金の積立を要求したのも銀行にとっては喜ばしくないニュースだ。引当金を積み立てるほど純利益は減少し、配当余力が減り、株価に悪影響を及ぼすためだ。

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昨年下半期までは基準金利の引き上げが予告され、代表的な恩恵株として金融株が浮上した。韓国銀行(中央銀行)は昨年の8月と11月に基準金利を0.25%引き上げたのに続き、今年1月にも追加の引き上げに踏み切り、1.25%に上げた。

投資心理萎縮

関連業界は当分、銀行株の投資心理の萎縮現象は続くだろうと見込んでいる。

ハナ金融投資のチェ·ジョンウク研究員は「ウクライナとロシア双方の立場と状況を考慮すれば、ウクライナ事態が早期に解決するよりは長期化する余地が高い」としながら、「地政学的リスク発生時、金融システムリスク拡大および景気鈍化懸念などで株価が弱含み傾向にある上、金利と為替レートなどマクロ指標も非友好的に展開されている」と述べた。

これに関しある金融機関の関係者は、「ウクライナ事態により石油供給に支障が発生するという懸念が、国内株式市場に悪材料として作用している。ロシアへの金融制裁も金融株に悪影響を及ぼすことは明らかだ」としながら、「銀行の実績よりも原油価格や金利引き上げなど海外市場の条件に影響を多く受けると予想される」と説明した。

イ・ジウン記者