韓国の保険会社、財務負担が増加…長期先導金利を引き下げ
韓国の金融当局が長期先導金利(LTFR)をもう一度引き下げることを決め、韓国の保険会社の負債負担はさらに重くなる見通しだ。
金融監督院は最近、保険会社に現行の5.05%からLTFRを25~30bp(1bp=0.01%)引き下げる案についての意見をまとめた。
5.05%から4.90%に下方修正
大半の保険会社は25bp引き下げに同意し、金融持株系の保険会社である新韓ライフやKB生命などが30bp引下で回答した。LTFRが低いほど、財務の負債が増す。持株系の保険会社は、グループによる資本拡充の余地が大きいためと解釈される。
来月中にLTFRは4.90%で確定する見通しだ。今年だけで2度目の下方修正で、当初、LFTRは5.20%だった。
LTFRとは、2023年に導入される新国際会計基準(IFRS17)や、同時に導入される監督会計基準(K-ICS)の2次計量評価に使用される割引率で、今後60年時点の金利を推定した数値だ。LTFR4.90%が意味するのは、保険会社が保険料を60年間運用しながら得る収益が4.90%に近づくという仮定だ。
保険会社はLTFRによって、保険契約者に対する将来的な保険金支払いのために、前もって積まなければならない負債の量を決める。割引率が下がると、それだけ多額の負債を抱えることになるが、これまでは国内のLTFRが高すぎると指摘されてきた。
今月14日を基準とすると、国債利回りは◇3年物1.79%◇10年物2.17%◇20年物2.25%◇50年物=2.22%などにとどまっている。今後の金利上昇基調を反映するとしても、5%台のLTFRは非合理的ということだ。
韓国より先に保険負債を時価評価している欧州連合(EU)の場合、2017年までLTFRは4.2%だったが、持続的に引き下げ、来年からは3.45%の適用を決めた。
生保業界、敏感な反応
特に、損害保険よりは生命保険業界において、LTFR変動に敏感に反応している。主力商品の「終身保険」のためだ。
終身保険は、保険料の納付期間が最大20年となっているが、保険金が支払われる時点はこれより遠い40~50年後だ。その期間の分だけ、保険金支払いの名目で積まなければならない負債が増え、保険会社の利益が縮小するという意味だ。
逆にLTFRが高ければ、保険会社の利益が過度に増える。今すぐは良いが、遠い将来には少なすぎる負債のため、恒常的な逆マージン構造を抱えてしまう可能性が高い。
ある保険会社の関係者は、「依然としてLTFRが高いという意見が多い。現実に合わせる必要性があるが、さらに下げる場合、一部保険会社の財務負担は少なくない」と述べた。
パク・ヨンジュン記者