韓国都市銀行、為替ビジネスを「再起動」…海外旅行客の回復で
COVID-19事態の長期化で縮小していた韓国銀行圏の個人為替市場が、海外旅行需要の回復で再び活気を取り戻している。
国際線旅客数、昨年3月比で倍増
韓国国土交通部の航空局ポータルによると、今年4月の国際線旅客数は24万1000人余りで、昨年3月(11万3380人)に比べ倍増した。前月(17万9596人)比では34%ほど増えた数値だ。
「ソーシャルディスタンス」解除など新型コロナウイルスを巡る防疫措置の緩和により、2年以上にわたり抑えられていた海外旅行の需要が増加した影響だと考えられる。
旅行会社大手のハナツアーは、ハワイなどリゾート地への新婚旅行の予約人数が先月は1272人となり、2019年同月の70%の水準まで回復したと明らかにした。
韓国の銀行は新型コロナのエンデミック(風土病化)に合わせ、旅行資金作りをテーマとする金融商品を発表する一方、これまで縮小運営してきた外貨両替センターを正常稼動し、各種両替イベントを行いマーケティングを強化している。
KB国民銀行は先月25日から、優遇レートのイベントを実施している。「KBスターバンキング」内の両替サービスで10ドル(USD)以上両替する顧客を対象とし、毎日午前9時から先着順99人に対して「為替レート優待99%」を提供している。さらに新型コロナ事態以降、全国8ヵ所のうち2ヵ所だけが運営していた国内外国為替送金センターの運営を正常化した。
収益、なお3分の1
ハナ銀行も今月中に、10ドル以上両替した個人顧客を対象として、両替金額に応じて「ハナマネー」をキャッシュバックし、抽選を通じて景品を贈呈するイベントを実施中だ。NH農協銀行も5月の1カ月間、「オールワンバンク」で両替サービスを利用する顧客を対象に景品イベントを実施する。
ウリィ銀行も両替・ドル預金イベントを進める計画であり、空港内両替営業所の開始時刻も繰り上げる方針だ。
市中銀行のある関係者は「両替需要が外貨預貯金より速い増加の兆しを見せている」とし、「長い間営業を中断した分野であるだけに、需要先取りのための競争が一層激しくなるだろう」と話した。
一方、韓国の国内5大都市銀行であるKB国民・新韓・ウリィ・ハナ・NH農協銀行は今年の第1四半期末の個人両替額は11億74万ドル(約1兆3897億ウォン)で、2020年第1四半期末の39億6100万ドル(約5兆11億ウォン)に比べて72.21%も減少した。
COVID-19パンデミックで、これまで海外旅行はもちろん、出張など他国との取引がほとんど停止し、個人両替取引件数が急減した影響が大きかった。
両替取引が減り、銀行の両替手数料収益も共に減少した。ドル・ウォン為替レートを1200ウォンと想定すると、1ドル当り通常20ウォン内外の手数料が出るが、様々な優待を踏まえると手数料収益は1ドル当り10ウォン程度となる。
2020年第1四半期に5大銀行が稼いだ両替手数料が、単純計算で396億ウォン規模だったとすれば、今年の同期間には110億ウォンを稼いだことになり、3分の1以下の水準にとどまったことになる。
アン・ソユン記者