韓国ウリィ金融会長に重懲戒処分…ライム事態で金融当局
韓国政府の金融委員会が、大規模な償還停止を引き起こしたライム資産運用のファンド商品をウリィ銀行が販売したことと関連し、孫泰升(ソン・テスン)ウリィ金融持株会長に対する重懲戒措置を議決した。これによって、来年3月に任期を終える孫会長の再任が影響を受ける見込みだ。
再任に暗雲、訴訟提起か
金融委員会は9日の第20回定例会議で、ウリィ銀行によるファンド商品の不完全販売など、金融監督院の検査結果で発見された違法事項について業務の一部停止3月及び役員への問責警告などの措置を議決した。
ウリィ銀行は2019年7月に大規模な償還停止を起こしたライムファンド事態で、説明確認義務および説明書交付義務違反、私募ファンドの投資広告規定などに関する資本市場法に違反した事実が指摘された。
金融監督院は、当時ウリィ銀行頭取を兼任していた孫会長に責任を問うため、昨年4月の制裁審議委員会で問責警告の処分を議決していた。経営幹部に対する懲戒レベルは重い順に解任勧告、職務停止、問責警告、注意的警告、注意の5段階があり、文責警告からが重懲戒となる。重懲戒を受けると、現在の任期終了後、役員再任が不可能となる。今後3〜5年の間、金融会社への再就職も制限される。
金融監督院の制裁審議委員会で議決された懲戒処分は、上部組織である金融委員会での審議を経て最終決定される。
業務の一部停止も
金融委員会は最近まで6回にわたって案件小委員会を開き、孫会長に対する制裁案を審議し、原案を維持する方向で意見を集め、この日の定例会議に上程して議決した。
また、不完全販売に対する制裁として下された業務の一部停止措置により、ウリィ銀行は私募ファンドの新規販売を3カ月間できなくなる。
一方、金融圏の一部では、孫会長が立場を維持するために問責警告を不服とする訴訟を提起するとの観測が出ている。
孫会長は「海外金利連携派生結合型ファンド(DLF)」との関連で問責警告が下された際も、金融監督院を相手に重懲戒取り消し訴訟を提起したことがある。昨年1月の一審に続き、今年7月の二審でも勝訴したが、金融監督院はこれを不服とし、最高裁判所に上告した状態だ。
ウリィ金融持株の関係者は「今回の金融委員会の決定に対する内容を綿密に検討中」としながら、「今後の対応策に関して現在確定した事項はない。決定と関係なく、ウリィ金融グループは市場の安定と国民経済の危機克服に最善を尽くすつもりだ」と述べた。
アン・ソユン記者