韓国ウリィカード、延滞債権比率に黄信号

ウリィカードの延滞率が、韓国のカード会社の中で群を抜いて増えている。信用リスクの大きいキャッシング・サービスを攻撃的に扱った影響と見られる。

キャッシング増加、大手合計の半分

金融監督院の電子公示によると、今年第3四半期のウリィカードの延滞債権比率は1.29%で、前年同期(0.96%)比0.33%ポイント増加した。

同期間、他のカード会社の延滞率は横ばいまたは減少した。ハナカードの場合、1.35%から1.08%に0.27%ポイント改善し、最も大きな減少幅を記録した。

続いて、△サムスンカード(0.24%ポイント減少)△ロッテカード(0.20%ポイント減少)△新韓カード(0.07%ポイント減少)△現代カード(0.01%ポイント減少)△KB国民カード(横ばい)などとなっている。

ウリィカードの延滞率が拡大したのは、カード融資の資産構造がカードローンからキャッシング・サービスに大幅に転換した影響と見られる。

今年の第3四半期、ウリィカードのキャッシング・サービス取扱額は4兆4158億ウォンで、前年同期(3兆4606億ウォン)から9552億ウォン増加した。これは同期間の7つのカード会社のキャッシング・サービス増加額の合計1兆8000億ウォンの52%に当たる。

8割が高金利

通常、短期貸出商品であるキャッシング・サービスは、カードローンに比べて信用リスクが大きい。キャッシング・サービスは急場の資金が必要な低信用者と複数借り入れの債務者が主に利用し、カードローンより延滞率と貸倒費用が高いためだ。

ウリィカードのキャッシング・サービスは、高金利の融資が中心だ。与信金融協会の公示によると、9月末時点で、ウリィカードキャッシング・サービスの利用者のうち88%が18~20%台の高金利で利用している。

他社の場合、△現代カード67%△サムスンカード64%△KB国民カード62%△ハナカード58%△新韓カード55%△ロッテカード54%となっている。ウリィカードが他社に比べて20~30%ポイント高いということだ。

法定最高金利に迫る貸出金利帯と急な取扱額の増加傾向を見ると、ウリィカードが他社に比べてキャッシング・サービスを積極的に扱っていると解釈できる。

ウリィカードの関係者は「昨年は延滞債権を売却した影響で延滞率が下落したが、今年は未売却のためわずかに上昇した」とし、「金融商品取扱基準の強化など、ポートフォリオ調整とともに延滞債権の回収拡大を通じて延滞率を管理する予定だ」と述べた。

一方、金利引き上げ期の間、カード融資リスクがさらに拡大する恐れがある。韓国信用のウィ・ジウォン評価室長は先月、「金融:金利上昇が触発した変動性の拡大」と題した報告書を通じて、カード業界の延滞リスクについて診断した。

ウィ室長は「金利上昇期には複数借り入れ債務者の返済能力が低下する要因がある。金利と実質延滞債権には高い相関性があるだけに、最近の金利上昇が4年前に比べて急速に進んでいることを考えると、金融会社の健全性に及ぼす影響は漸進的に増加するだろう」と指摘した。

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政府の新型コロナ対策の金融支援が終了すれば、融資の延滞率がさらに拡大する可能性があるとの主張も出ている。政府の支援策により、返済能力が劣る借主の不良債権化率が実際より良好に見えているということだ。

ソ・ジヨン韓国信用カード学会長は「コロナ支援の満期延長及び金利猶予措置によって、延滞債権としてカウントされていない融資がある。コロナ支援が終了し、これらの融資が固定以下与信(要管理債権)に組み入れられた場合、健全性がさらに悪化する恐れがある」と述べた。

チョン・テヒョン記者