韓国のウリィカード、共生金融の先頭走者に
韓国のウリィカードが共生金融に最も積極的な様子を見せている。カードローンの金利を平均1.6%ポイント引き下げるなど、借主に対する支援に全力を尽くしている。これは他社平均と比べ4倍大きい引き下げ幅で、破格的な支援との評価が出ている。
「もうけ過ぎ」批判の汚名返上
ウリィカードは今月29日に共生金融支援のためのイベントを開催する。この行事には、ウリィカードのパク・ワンシク代表取締役とウリィ金融持株の任鍾龍(イム・ジョンリョン)会長以外にも、李卜鉉(イ・ボクヒョン)金融監督院長が参加することが分かった。
ウリィカードはこの日、小規模商工人へのオーダーメイド・コンサルティング、延滞借主に対する金利引き下げや債務調整など、共生金融関連の支援方案を発表する予定だ。
李卜鉉院長の参加はウリィカードによる直接の招待であるだけに、実利のある特典が盛り込まれた様々な支援策が用意されたものと予想される。
ウリィカードは、イベントの準備に万全を期したようだ。今年の初めから脆弱借主を対象に金利引き下げの恩恵を増やすなど力を入れてきた。
与信金融協会によると、今年の3~4月のキャッシングサービスとカードローンの平均調整金利が一番高いのはウリィカードだ。
調整金利は、優遇金利と特販金利割引などを含む顧客に合わせた割引金利である。調整金利が高いほど、カード会社がマーケティング費用をかけて、顧客が負担するローン金利を減らしたという意味である。
今年3月基準で、ウリィカードのキャッシングサービスの平均調整金利は1.56%であり、その次に高いロッテカード(0.64%)と2倍以上の開きがあった。カードローンでは4月基準、ウリィカードの平均調整金利は2.04%で、2番目に高いサムスンカード(1.47%)より0.57%ポイント高かった。
結果的に、高金利融資の割合も急減した。ウリィカードのキャッシングサービス利用者のうち18〜20%の金利台の割合は、昨年9月の88%から今年4月の22%に急減した。
脆弱借主を対象に「もうけ過ぎ」であるとの汚名をそそぎ、共生金融に最も積極的なカード会社に変貌した。
金融消費者連盟のカン・ヒョング金融局長は「金利が上がる傾向にあるにもかかわらず、もともと高金利であるカードローンなどの金利を引き下げるのは、消費者からして好ましい現象と言える」とし、「金利引き下げという可視的な恩恵以外にも、融資返済に対する動機づけや心理的な効果も相当なものだろう」と述べた。
ただ、金利がかなり上がった現状を考慮すると、融資商品を保守的に管理する必要があるという意見も出てくる。
ソ・ジヨン韓国クレジットカード学会長は「優遇金利の拡大は、借主の利子負担の解消に多少は役立つかもしれない」と言いながらも、「需要増加によるカードローンの拡大は延滞率の増加につながり、カード会社の健全性にも否定的な影響を与え得る」と述べた。
一角では、李院長のイベント参加を巡り、共生金融の取り組みへの「激励」以外にも、延滞率管理を呼びかける目的が含まれていたとの見方も出ている。最近、第2金融圏で延滞率の増加傾向が鮮明となっているため、共生金融支援の側面だけを強調できないということだ。
チョン・テヒョン記者