テウォン貯蓄銀行の売却が白紙化…買手側「当局とのやり取りが遅延」
2022年2月28日
遅々として進まなかったテウォン貯蓄銀行の売却が結局、白紙化された。
貯蓄銀行業界を通じて28日までに入手した情報によると、タイガー資産運用が大元貯蓄銀行の買収を放棄したことが明らかになった。金融委員会に大株主適格性審査を申請することもできないまま、買収交渉が決裂した。
金融当局、短期イグジットを懸念
タイガー資産運用の関係者は「金融監督院とのやり取りが長引いたため、買収をあきらめた」と述べた。
テウォン貯蓄銀行は、親会社のデア貯蓄銀行が持分100%を所有する慶尚北道(キョンサンブクド)地域の貯蓄銀行だ。経営悪化で事実上、営業が中断された状態であり、デア貯蓄銀行はテウォン貯蓄銀行の売却を試みてきた。
昨年4月、デア貯蓄銀行はタイガー資産運用にテウォン貯蓄銀行の株式100%を155億ウォンで売却する株式売買契約(SPA)を締結した。以後、タイガー運用は金融委に大株主適格性審査を申請する前の段階で、金融監督院と数回にわたってミーティングを開いた。しかし結局、同院から審査申請に対する回答を得られなかった。
大株主適格性審査は金融委が行う。申請後、60日以内に審査結果を通知するが、申請前に金融監督院と事前ミーティングを行うのが慣例だという。
テウォン貯蓄銀行の売却が決裂したのは初めてではない。2018年にはLEDメーカーのシティジェンが買収を試みている。しかし、当時も大株主適格性審査が遅れ、シティジェン側から買収を撤回した経緯がある。
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業界消息筋は、金融当局が貯蓄銀行を私募ファンドの運用会社に売却するのを嫌っていると、口をそろえる。私募ファンドが金融会社を買収し、短期間でイグジット(投資金の回収)した例が多いため、運用会社に売却を認める場合も、このような事態が起こりかねないと懸念している。
昨年も、JT貯蓄銀行の買収を試みたVI金融投資が大株主適格性審査のハードルを越えることができず、交渉が霧散した経緯がある。VI金融投資は、香港系の私募ファンド運用会社であるバンカストリートPEが買収した会社だ。
2020年から3年間、民国貯蓄銀行の買収を試みている現代資産運用の場合も、成就するか不透明な状況だ。
一方、デア貯蓄銀行は11日、テウォン貯蓄銀行に対し3億ウォンの有償増資を実施した。脱出口だった売却が水に流され、営業を再開しようとしているものと見られる。
パク・ジンヒョク記者