韓国金融委、ディスカバリー資産運用とIBK企業銀に制裁
韓国政府の金融委員会は16日、同日の定例会議でディスカバリー資産運用とIBK企業銀行に対して、それぞれ業務の一部停止、過料および役職員制裁などの措置を議決したと発表した。
大規模償還停止で警察も捜査
ディスカバリー資産運用は元青瓦台(大統領府)政策室長で現駐中大使の張夏成(チャン・ハソン)の弟である張夏元(チャン・ハウォン)氏が設立したファンド運用会社だ。2016年、資本金25億ウォンで設立され、2017年に私募投資会社として登録し、ファンドの運用を開始した。
同社ファンドはIBK企業銀行を窓口として投資家から資金を集め、アメリカの米DLI社が運用する特殊目的法人であるDLGに投資した。ところが2019年4月、DLIが収益率や投資資産の価値について虚偽報告したとして、米国証券取引委員会(SEC)が告発。その結果、ファンドの償還が停止され、投資家約200人が695億ウォンの払い戻しを受けられなくなるなどした。
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被害者たちはディスカバリーが2017年4月に登録したばかりの新しい運用会社なのに、IBK企業銀行などの大手金融機関を販売窓口として急速に成長したことから、政界の関与を疑っている。ソウル警察庁は2月9日と11日、張夏元氏を詐欺容疑などで事情聴取した。
金融委はディスカバリーのリスク管理基準の策定義務違反、大株主の信用供与制限の違反行為が支配構造法および資本市場法違反に当たるとして、業務の一部停止3カ月、過怠金5000万ウォン、課徴金1500万ウォン、役員の職務停止3カ月などの措置を議決した
IBK企業銀行に対しては、説明義務違反をはじめ不完全販売行為と投資広告規定違反行為などが、資本市場法に当たると認めた。これを受け、機関業務の一部停止1カ月、過怠料47億1000万ウォンおよび役員への制裁などの措置を議決した。
このうち役職員への制裁は金融監督院長に委任され、同院で措置する予定だ。
イ・ジウン記者