韓国の都市銀行、「関係型金融」を拡大

韓国の都市銀行は、将来の成長価値の高い中小・ベンチャー企業を長期的に支援する「関係型金融」の拡大に積極的に乗り出している。

中小・ベンチャー企業を長期支援

関係型金融は主に地域経済を基盤とした地方銀行が追求する営業戦略だったが、最近はESG(環境・社会・企業統治)経営、サスティナブル経営など、企業が及ぼす社会的影響が投資機関の主要評価指標になっていることを受けて、都市銀行も底辺拡大に努める様子だ。

ウリィ銀行は、今月8日から19日まで「第10次中小企業成長支援のための投資対象企業公募」を実施する。募集対象は、スタートアップなど革新性と成長性を有している中小法人で、ウリィ銀行と金融取引がなくても支援できる。

ウリィ銀行は技術性、事業性評価などの内部審査段階を経て、今年12月まで10カ所前後の投資対象企業を選定、転換権付配当優先株式(RCPS)などの方式で、各企業に10億ウォン以内の資金を投資する計画だ。

新韓銀行は7月28日、中小ベンチャー企業振興公団とグローバル進出有望中小ベンチャー企業のローカライゼーション支援業務協定を締結した。

新韓銀行は中小ベンチャー企業振興公団と交流協力チャンネルを構築し、ウェビナー・教育・ネットワーキングなどの行事の進行を支援することにした。

二つの機関が保有する海外資源を活用して、有望中小企業のローカライゼーションを推進し、フィンテック・プラットフォーム・AI(人工知能)など、デジタル分野の中小ベンチャー企業を対象に金融・投資支援に関する様々なコンサルティングも行う。

ESG確立が目的

SC第一銀行も、先月29日に有望なスタートアップ企業を発掘するため、金融IT分野を対象に技術とサービスを紹介して評価するデモデーイベントを開催した。

イベントでは、△ハイパーサイエンス(人工知能(AI)ベースの文書処理システム)△ピーデスアドバイザー(企業不良事前診断サービス)△クワンテック(デジタルプライベートバンキングサービス)△ディープブレインAI(仮想人間を活用した非対面顧客対応)△フェイスPAPK(顔認識ソリューション)△アンドトーク(ビッグデータベース企業評価)△トゥデジット(個人化金融ニュース推薦)など7社が有望企業に選ばれた。

SC第一銀行は今回選定された有望企業7社について、系列会社SCベンチャーズや他の会社と共に持分投資、合弁会社設立、海外進出支援などを行う計画だ。

また業務に適用できる技術やサービスの場合、今後の検証過程を経て銀行実務に導入する方案も推進する方針だ。

銀行圏のある関係者は「都市銀行が関係型金融の構築に集中するのは、営業範囲を広げようとする地方銀行とは異なり、ESG経営の確立としての意味が大きい」と述べた。

続けて、「また持続的な調査により、人員が多くかかる工場など企業よりIT技術力を基盤とした中小企業やスタートアップ企業の発掘に集中しており、様々な企業の中でも長期的な事業手腕に長けた対象を選り分けるため、金融支援審査チームに投入する専門人材の確保にも力を入れている」と付け加えた。

一方、金融監督院が毎年公開する「関係型金融取扱実績」資料によると、昨年末基準で国内銀行の関係型金融残高は12兆4000億ウォンで、前年末(10兆3000億ウォン)比2兆1000億ウォン(20.8%)増加した。

アン・ソユン記者