韓国金融グループ首脳「自社株買い」と「配当増」に熱
昨年、過去最高益を更新した韓国の各金融グループが、莫大な配当を準備している。成果に対する自信と、株価浮揚へ向けた姿勢をアピールしながら「自社株買い込み」に熱心だった持株会社会長らの財布も厚くなりそうだ。
大手4グループ、配当性向30%目標
KB・新韓・ウリィ・ハナの4大金融グループの昨年の当期純利益の推定値は16兆6400億ウォンだ。これは前年に記録した14兆5429億ウォンから14.5%増加した数値だ。
政策金利の引き上げが続く中、グループの中心となる銀行の利子収益が急増し、好業績を牽引した。
グループに見ると、ウリィの純利益は前年から18.2%増え、上昇幅が最も大きくなる見込みだ。新韓は16.9%増で、KBとハナはそれぞれ9.0%、4.3%増加すると予測された。
これを受け、各持株会社の配当性向も拡大すると予想される。最近、ESG(環境・社会・支配構造)経営の実践を標榜しながら株主還元基調を強化したうえ、金融当局も配当については各社の自律的な意思決定を尊重すると明らかにしたことが、背中を押している。
各グループは現在、配当性向を30%以上に拡大する中・長期目標を立てている。昨年の4大金融持株の配当性向は△KB金融26.00%△ハナ金融26.00%△ウリィ金融25.29%△新韓金融25.19%となっている。
そんな中、各金融持株トップも潤いそうだ。金利上昇など市場の不確実性が増す中でも、経営責任の明確化と株主価値向上への意志を表明するため、個人での自社株を積極的に行ってきたからだ。
最も積極的だったのが、孫泰升(ソン・テスン)ウリィ金融持株会長だ。過去1年間に、3回にわたって計1万5000株を買った。平均取得単価は1万3308ウォンで、合計1億9962万5000ウォンを投じた。
同期間、新韓金融持株の趙鏞炳(チョ・ヨンビョン)会長も自社株4315株を買い入れた。投じた額は計1億5572万8000ウォン(平均取得単価3万6089ウォン)だ。
ユン・ジョンギュKB金融持株会長は自社株2万1000株を、ハナ金融持株の咸泳周(ハム・ヨンジュ)会長は1万132株を保有している。
孫泰升氏は2021年の配当金として9300万ウォンを受け取ったとされる。ここに、昨年追加で買入れた自社株と、配当性向の拡大などを考慮すると、2022年の配当金は1億ウォンを大きく超えると見られる。
昨年、KB金融のユン・ジョンギュ氏は6200万ウォン、ハナ金融の咸泳周氏と趙鏞炳氏はそれぞれ3100万ウォン、2700万ウォンの配当金を受け取った。
アン・ソユン記者