韓国の銀行、融資延滞「雪だるま式」増加

韓国の都市銀行が宿泊・飲食業者に貸し付けた融資の延滞金が雪だるま式に増えている。最近、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大や、基準金利の引き上げを受け、借主の債務負担はさらに加重されている。

「オミクロン株」拡散…宿泊・飲食業の債務負担加重

延滞規模、前年同期比111%増加

今年第3四半期の都市銀行4行(KB国民・新韓・ハナ・ウリィ)の宿泊・飲食業の延滞規模は1077億ウォンで、昨年の第3四半期(509億ウォン)に比べ111.59%増加した。

同期間、銀行別に見てみると、ウリィ銀行が140億ウォンから520億ウォンへと最も大きく増えた。続いて◇国民銀行が107億ウォンから175億ウォン◇ハナ銀行が112億ウォンから172億ウォン◇新韓銀行が150億ウォンから210億ウォンへと増加した。

新型コロナウイルスの長期化や強力なソーシャルディスタンスの影響を受けたサービス業種の個人事業主が、経営難に苦しんでいるためだ。飲食店やカフェなどの大衆利用施設の運営時間を縮小し、私的な集まりの人数を制限するなど、韓国政府の強力な防疫指針を受け、自営業主は資金難の直接的な打撃を受けている。

中小ベンチャー企業部が韓国国会に提出した資料によると、今年1~7月の廃業店舗撤去費支援事業の申請件数は1万2128件だった。このうち申請が最も多い業種は飲食・宿泊業で、全体の50.1%(6074件)を占めた。

問題は、急速に広がっているオミクロン株への懸念や4週間実施される政府の特別防疫対策の影響を考慮すれば、融資の潜在的な不良債権化がいっそう進行しかねないことだ。

金利引き上げも影響

また、韓国銀行(中央銀行)の基準金利引き上げの時期と重なり、借主の利子負担はますます大きくなっている状況だ。

元利金の返済猶予期間が長期化するほど、借主が返済しなければならない借金は増える。融資の満期延長や返済猶予など、新型コロナウイルスの金融支援措置が終了する来年3月に借主が返済できない場合、金融界も打撃を受けるほかない。

韓国開発研究院(KDI)が発表した「12月経済動向」によると、最近、オミクロン株により防疫措置が再び強化されるなど、不確実性が拡大し、国内外の需要が再び萎縮する可能性がある。

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金融圏のある関係者は「今年下半期にウィズコロナ(WITH CORONA)施行で宿泊・飲食業の売り上げが改善し、融資返済も日程通りに行われるのではないかと予想したが、オミクロン株の拡散で年末特需を期待しにくい状況になった」としながら、「最近、韓国銀行が基準金利を引き上げ、来年もインフレ懸念で緊縮基調に出れば利子費用が高くなると予想され、自営業者の借主は延滞可能性がさらに大きくなるとみられる」と述べた。

また「政府が元金返済猶予措置を取ったにもかかわらず、銀行が貸倒引当金を大きく積み増している理由は、延滞した融資が多いと判断しているためだ」とし、「政府も借換プログラムを宿泊・飲食業者を対象に積極的に活用し、高金利の融資を低金利の融資に乗り換えられるよう支援するなど、積極的な措置が必要とみられる」と付け加えた。

イ・ジウン記者